タンス株の特定口座への持ち込み期限の延長
昨年16年12月末で『タンス株』の特定口座への持ち込み期限が切れましたが、17年度の税制改革において平成17年4月1日から平成21年5月31日まで延長されることとなりました。ただし、これまでのように「みなし取得価額」による持込は出来なくなります。
タンス株の今後
タンス株とは自宅や銀行の貸し金庫などで保管している株券のことです。株式譲渡損益が申告分離課税に一本化されたことから、こうした株券を特定口座へ移行して預け入れることにより、投資家の確定申告への手間などを省くために特定口座制度が設けられました。(詳細は『タンス株の特定口座への入庫期限迫る!』を参照)
特定口座に預け入れられる期間は平成15年4月1日から平成16年12月31日までとなっており、昨年末をもって終了するはずでしたが、期限直前に17年の税制改正で事情が変わりました。
新たな預け入れ期間は17年4月から21年5月31日に延長、と言うのもタンス株はいまだ200億株以上あると推定されており、昨年末で打ち切ると、混乱が生じかねないとの判断が生じたためとみられるます。
ただし、みなし取得価額による税務上の特例は認められなくなります。
さらに、「株券不発行制度」がスタートすると、上場企業の株券は無効となってしまうため期限が延びたとばかりは言っていられないようです。
みなし取得価額とは
みなし取得価額とは平成13年9月30日以前に取得した株式を15年1月1日から22年12月31日までの間に譲渡した場合には、平成13年10月1日の終値の80%相当額とすることができる特例です。
株券不発行制度とは
平成16年6月の商法改正により、上場会社は21年6月末を期限とする特定の日に、株券不発行の定款の定めを置いたものとみなされ、一斉に株券不発行制度(株券のぺーパーレス化)に移行し、手元にある株券は価値を失います。
株券不発行制度に移行した上場株式はすべて、現在の『証券保管振替制度(ほふり)』を制度転換した、『株式振替制度』の振替口座を通じて保有することとなります。
一般の株主は現在、特定口座やほふりを利用されている場合には、振替口座にそのまま移行されペーパーレス化に伴う手続は不要と思われます。また、本券でお持ちの方は、制度が開始されると、タンス株は株主の権利を失う可能性があるため、証券会社に口座を開設し現株券を預託しておく必要があります。
2005/02/03
- 譲渡所得