住宅取得等資金の贈与税の非課税
平成24年度税制改正により、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度の適用期間が、平成26年12月31まで延長されました。
また、適用期間の延長だけでなく新たに非課税限度額についても改正されましたので、今回はこの制度についてお伝えしたいと思います。
1. 制度の概要
「住宅取得等資金の贈与税の非課税」の規定は、平成24年1月1日から平成26年12月31日までの間に父母、祖父母など直系尊属からの贈与により、居住用家屋の新築等の対価に充てるための金銭(住宅取得等資金)を取得した場合に、一定の要件を満たすことにより、下記の非課税限度額までの金額について贈与税が非課税となります。
なお、この規定は、あくまでも住宅取得等資金である金銭を取得した場合に適用を受けることができるものですので、居住用家屋を贈与により取得した場合には適用がないことに注意してください。
<非課税限度額>
住宅の種類\贈与年 | 平成24年 | 平成25年 | 平成26年 | |
省エネ等住宅 ※ | 1,500万円 | 1,200万円 | 1,000万円 | |
上記以外の住宅 | 1,000万円 | 700万円 | 500万円 | |
(注) 既にこの規定の適用を受けたことがある場合には、上記金額から既に非課税とした金額を控除した残額が各年における非課税限度額となります。
※省エネ等住宅とは
省エネ当基準に適合する住宅用の家屋であることにつき、これを証明する書類(住宅性能証明書、建設住宅性能評価書の写しなど一定の証明書)を贈与税の申告書に添付することにより証明がされた住宅をいいます。
2. 適用を受けるための手続
「住宅取得等資金の贈与税の非課税」の規定は、贈与税の申告期限内に贈与税の申告書及び添付書類などを提出した場合に限り、適用を受けることができます。
なお、贈与税の申告期限は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までですので、この規定の適用を受ける際には、申告期限までに添付書類の用意が必要となります。
3. まとめ
今回の改正により、省エネ等住宅の新築等を行った場合には、非課税枠が拡充されました。
また、この規定は相続時精算課税に係る特別控除(2,500万円)との併用が可能であるため、平成24年度においては最大で4,000万円まで課税の対象にならないことになります。
しかし、平成25年、26年においては段階的に非課税枠が縮小されていきますので、住宅取得等資金の贈与をお考えの際には、その他の贈与の状況に応じてですが、平成24年度における贈与をおすすめします。
適用をお考えの方は、家屋証明書や添付書類等に漏れがないように注意しましょう。
2012/07/23
- 相続税・贈与税