復興特別法人税制度
平成24年4月1日開始事業年度より、復興特別法人税制度が創設されたことにより、法人税率が引下げられるものの、復興特別法人税が期間限定で別途10%上乗せされます。
今回は、復興特別法人税について、お伝えします。
復興特別法人税制度は、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源を確保するために設立されました。
平成24年4月1日開始事業年度から、本来の法人税率は引下げられるものの、復興特別法人税として、新たに10%が別途上乗せされます。
1適用時期
復興特別法人税の課税の対象となる事業年度は、一定の場合を除き、法人の平成24年4月1日から平成27年3月31日までの期間内に最初に開始する事業年度開始の日から同日以後3年を経過する日までの期間内の日の属する事業年度とされています。
そのため、1年決算法人の場合には、平成24年4月1日以後最初に開始する事業年度から3期にわたって課税の対象となり、半年決算法人の場合には、平成平成24年4月1日以後最初に開始する事業年度から6期にわたって課税の対象となります。
2.税率
I. 復興特別法人税が上乗せされた法人税率は、次の税率です。
? 資本金1億円超の株式会社
改正前...30%
改正後...28.05%
? 中小法人等(資本金1億円以下の株式会社など) (特例)
改正前... イ. 所得年800万円以下の部分 22%(特例:18%)
ロ. 所得年800万円超の部分 30%
改正後... イ. 所得年800万円以下の部分 20.9%(特例:16.5%)
ロ. 所得年800万円超の部分 28.05%
II. 時限措置経過後の事業年度(平成27年4月1日以後に開始する事業年度)は、次の法人税率が予定されています。
? 資本金1億円超の株式会社 25.5%
? 中小法人等(資本金1億円以下の株式会社など)
(1)所得年800万円以下の部分 19%
(2)所得年800万円超の部分 25.5%
3.注意点
実務においては、通常の法人税と復興特別法人税の計算は、作成する書類(別表)が異なります。たとえば、普通法人の場合は、通常の法人税は別表一(一)、復興特別法人税は別表一です。作成する別表の数が増えますので、気をつけなければなりません。
また、法人県民税や法人市民税は、通常、法人税額をもとに計算されるため、税率の引下げ等が行われると、実質これらの税額も引下げとなります。法人税率の引下げ等に伴う影響は、様々なところで出ています。試算される際には十分気をつけましょう。
2012/05/24
- 法人税