法人税・所得税を増税か!?(復興対策財源)
現在、政府が復興対策財源として検討している税制措置案をご紹介します。
まず、法人税については法人税付加税を2012年4月から3年間、所得税については所得税付加税を2013年1月から10年間、それぞれの増税期間となるよう適用が検討されています。
1. 法人税付加税・所得税付加税とは
(1)法人税付加税
法人に対する法人税付加税は、法人税額に10%を課税し、上乗せするというものです。
(2)所得税付加税
所得税付加税は、所得税額を課税標準にして4%を課税し、上乗せするというものです。
2. 平成23年度税制改正を前提に検討
(1)内容
今回提示された税制措置案では、平成23年度税制改正は、法人税率の引き下げなど減税の税制改正であることから、所得税・相続税関係の税制改正による増収がなければ、その分、復興対応財源のための税制措置が膨らむことになるとしています。平成23年度税制改正で予定されている資産課税関係の見直しを実施することも、税制措置の規模を試算する前提になっているということになります。
(2)法人税
平成23年度税制改正で予定している法人税率の引き下げなどを行うことも前提となっているため、法人税率は、平成23年度税制改正で30%から25.5%とされるので、この25.5%の10%(25.5×10%=2.55%)の付加税で税率は28.05%(25.5+2.55)、現行より2%程度引き下げられることになり、実質的には減税という形で負担が減ることになります。
具体的な法人税率の推移は、このようになります。
・平成23年度:30% (現状)
・平成24年度:28.05%
・平成25年度:28.05%
・平成26年度:28.05%
・平成27年度:25.5%
(3)所得税
所得税については、平成23年度税制改正の給与所得控除や退職所得控除、成年扶養控除の見直しの実施による増収と、新たに設けられる所得税付加税で対応されます。
3. 今回の税制措置案について
復興財源に対する増税の検討は、所得税額を一定割合上乗せする増税、消費税の臨時増税、法人税の引上げなどがありますが、政府内で有力視されているのが今回ご紹介した法人税や所得税の増税案となっています。これは、利益や所得の多い人ほど負担が大きくなる仕組みで、控除などの適用により被災者への課税を軽減しやすい利点があるためです。
2011/10/12
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