災害義援金・災害見舞金・募金を支出した場合の税務上の取扱い
東日本大震災の発生を受け、国税庁は「募金団体を通じた義援金等に係る税務上の確認手続きについて」を公表しました。
これは募金団体に災害義援金等を寄附した場合に、その義援金等が最終的に国等に拠出される点が確認されたならば「国等に対する寄附金」に該当することを明示しています。
1.国等に対する寄附金とは
(1)法人税では
法人が支出する寄附金が「国等に対する寄附金」に該当する場合、その支出分は損金に算入されます。
(2)所得税では
個人が支出する寄附金が「国等に対する寄附金」に該当する場合、その支出分は寄付金控除の対象になります。
2.「国等に対する寄附金」の確認手続き
(1)通常の場合
通常、支出する寄附金が「国等に対する寄附金」に該当するかどうかの確認は、一定の手続の上で国税局長が確認します。
(2)今回の場合
義援金等が「最終的に国等に拠出されるものである」か否かは、税務署の確認で判断されます。
具体的には、新聞報道・募金要綱・募金趣意書等でその旨が明らかにされ、これを税務署において確認できたときに「国等に対する寄附金」として取り扱われます。
3.災害見舞金にあてるために同業者団体等に分担金等を拠出した場合
法人が、所属する同業団体等の構成員の有する事業用資産について災害により損失が生じた場合に、その損失の補てんを目的とする一定の基準に従って、同業団体等から賦課され、拠出する分担金等は、その支出する事業年度の損金の額に算入されます。
なお、この取扱いは、事業を営む個人においても同様となります。
4.募金をした場合
コンビニエンスストアーやスーパーマーケットなどの小売店等で募金を行った場合、その募金を通じた義援金等が「国等に対する寄附金」に該当するかについては、最寄りの税務署で確認を行う必要があります。
なお、日本赤十字社・報道機関等に対する義援金等については、特段の確認手続きを要することなく「国等に対する寄附金」に該当するとされています。
5.最後に
今回の東日本大震災でたくさんの方が義援金等の寄附をされたと思います。
せっかく設けられている税金の優遇措置なのでどんどん活用しましょう。
2011/05/10
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