配偶者が海外勤務となった場合の申告は?
先日、3月15日をもって平成22年分確定申告の申告期限を迎えました。
今回は、配偶者が1年以上の予定で海外勤務となった時及び来年の申告に向けて、年の中途で納税者が出国した場合の所得税申告制度である準確定申告についてご紹介致します。
1.準確定申告とは?
準確定申告とは、納税者が年の中途において出国した場合又は年の中途において死亡した場合において本人又は相続人が年の途中に行う確定申告のことです。
2.誰が対象になるのか?
準確定申告は、年の中途において出国した者全員について行うものではありません。
一般的には次に該当する方が対象者となります。
・ 給与収入2,000万円超の方
・ 給与所得以外に20万円以上の所得がある方
・ 不動産収入がある方
・ 高額な医療費を支払っている方
なお、年の中途で出国した場合においても、出国の時までに納税管理人(確定申告代替者)を選定していれば、その納税管理人が本人に代わって通常の確定申告を行う為、準確定申告は不要となります。
3.申告期限は異なります
通常の確定申告期限は3月15日ですが、納税者が年の中途で海外勤務となった場合はその出国のときまでに準確定申告を行わなければなりません。
4.扶養控除は両親ともに適用可
準確定申告時において扶養控除を適用していたとしても、その配偶者の確定申告において再度、同じ子供について、扶養控除を適用できることになっています。
例えば、家族構成が会社員の夫と会社員の妻、そして16歳の息子というケース。
夫が年の中途で海外勤務となった場合、夫の準確定申告では息子についての扶養控除を適用します。
そして、後の妻の確定申告(年末調整)においても、この息子についての扶養控除を適用することができます。
通常の確定申告同士では、同じ子供について両親ともに扶養控除を適用することはできません。
しかし、準確定申告が絡む場合は、判定のタイミングの違いから、同じ人物の扶養控除を両方で適用することができます。
5.最後に
準確定申告は通常の確定申告と異なる点も多く、家庭環境の変化という要因も相まって、悩まれる方も多いかと思います。
何かお悩みやご相談等ございましたら、お気軽に弊社までご連絡くださいませ。
2011/03/30
- 所得税