税務情報ヘッドライン

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平成24年度税制改正 退職所得課税の見直し

平成24年度税制改正により、所得税関係では退職所得課税が見直され、勤続年数5

以下の役員等の退職手当等について2分の1課税が廃止されます。

退職所得課税の見直しについては、平成2511日以後に支払われるべき退職手当

等から適用されます。

1.退職所得課税の見直しについて

 

平成24年度税制改正により、勤続年数5年以下の特定役員退職手当等に係る退職所得

の金額の計算については、退職所得控除額を控除した残額を2分の1とする措置が廃止され

ることとなりました。

すなわち、特定役員等の退職所得の金額は、特定役員退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額となります。

(1)現行

退職所得に係る所得税額=(収入金額−退職所得控除額)× 1/2 ×税率

(2)改正後

退職所得に係る所得税額=(収入金額−退職所得控除額)×税率

 

 2.2分の1課税が廃止される特定役員の対象範囲 

 

対象となる特定役員は?法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事及び清

算人並びにこれら以外の者で法人の経営に従事している者のうち政令で定める者?国会議

員及び地方公共団体の議会の議員?国家公務員及び地方公務員です。

法人役員が含まれた趣旨としては、2分の1課税を前提に短期間のみ在職が予定される

法人役員が、給与分を繰延べて高額な退職金を受け取るなど税負担を回避する事例が指摘

されていたことに対応したものとされます。

 

 3.退職所得控除額についての変更点

 

改正政令において、同一年中に特定役員退職手当等と、特定役員退職手当等以外の一般

退職手当等が重複する場合には、その重複勤続年数における特定役員の退職所得控除額は

勤続年数1年につき20万円となります。

特定役員と一般の重複年数以外の勤続年数については1年につき従来どおり40万円です。

また、重複勤続年数に関しては、一般退職手当等の退職所得控除額から特定役員の退職所

得控除額(勤続年数1年につき20万円×重複勤続年数)が控除されることとなります。

なお、一般退職所得控除額とは、退職所得控除額から特定役員退職所得控除額を控除した

残額をいいます。

 

 4.具体例

 

入社してから使用人として30年間勤務した後、使用人兼務役員である取締役経理部長

2年間務め、その後の2年間は取締役に専任したAさんの退職所得控除額は下記金額

となります。

 

・特定役員退職所得控除額

40万円×(4年−2年)+20万円×2年=120万円

・一般退職所得控除額

800万円+70万円×(34年−20年)−120万円=1,660万円

○合計

  120万円+1,660万円=1,780万円

 

 5.最後に

 

この改正は平成2511日以後に支払われるべき退職手当等から適用されますので、

勤続年数5年以下の役員等又は使用人兼務役員を経験した役員等に退職手当等のお支払い

をされる場合には注意が必要となります。

 


  

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2012/07/27

  • 所得税

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