10万円を超える通勤手当の消費税
この記事は2011年7月13日に更新されたものです。
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従業員に支給する通勤手当は、所得税法と消費税法で取扱いが異なります。
今回はその違いについて具体的にご紹介します。
1. 通勤手当と消費税
会社が従業員に支給する通勤手当については、消費税法上、課税仕入として仕入税額控除の対象となります。
2. 通勤手当の非課税限度枠
所得税法上、通勤手当については、1ヵ月当たりの非課税限度額が上限10万円とされており、10万円を超える部分については、従業員に対する給与として課税の対象となります。
例えば、1ヵ月当たりの給与が20万円、通勤手当が11万円の従業員がいるとします。
通勤手当の非課税限度枠10万円を超える部分1万円については給与として支給される為、この従業員の給与は21万円となり、結果として、従業員の所得税が増加します。
3.非課税限度枠外の通勤手当
上記1より、通勤手当は消費税法上、課税仕入となります。
また、給与については課税の対象となりません。
では、給与扱いとなる非課税限度枠外の通勤手当については、消費税法上、どのように取り扱うのでしょうか。
結論としては、非課税限度枠外の通勤手当についても、課税仕入の対象となります。
支給した通勤手当がたとえ給与扱いされていても、会社が交通費を購入し、その交通費を従業員に対して交付したという考え方から、現に通勤の費用に充てられているのであれば、全額が課税仕入れの対象となります。
4.最後に
今回は10万円を越える通勤手当の事例についてご紹介しましたが、同じような事例として、電車の特別車両料金(グリーン車など)が挙げられます。
特別車両料金は、所得税法上、給与として扱われますが、消費税法上は、課税仕入の対象となります。
このように、通勤手当については、所得税法上と消費税法上の取扱いが異なりますので、ご注意下さい。
この記事は2011年7月13日に更新されたものです。
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2011/07/13
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