書評 働かないアリに意義がある
意識して見てみると、アリはすごい存在です。
誰に命令されるわけでもなく、黙々と、、、
指示されるわけでもなく、モチベーションなどという言葉すら存在しないように働きます。
そのように見えるアリ社会は、いったいどうなっているのか?
私たちの身近な存在である「アリの生態」の中に、モチベーション維持の秘訣があるのでは?
と本書を購入しました。
さて、内容は、
実をいうと、7割がボーっとしており、1割が一生働かないとのこと。
しかも、働かないアリがいるからこそ、組織は存続できるというのです!
アリやハチなどの社会性昆虫に関する最新の研究結果を人間社会に例えながら、わかりやすく伝えようとする意欲作。
ということで、楽しみに読み進みます。
よく働くアリ、働かないアリが存在するのは、働きすぎ、怠けすぎのアリが存在しているというわけではありません。
個体それぞれに「反応閾値(いきち)」が異なるためです。
「反応閾値」とは、「仕事に対する腰の軽さの個体差」のことで、例えばどの程度のごちそうがあれば動き出すのかという刺激量の限界値をいいます。
つまり、上司がいない昆虫社会では、個体それぞれに備わっている「反応閾値」の差によって業務量に対する労働分配を調整しているということです。
このように、本書ではアリやハチなどの社会性昆虫に関する情報がたくさん盛り込まれています。
残念だったところは、私の勝手な期待だったのですが、本当にアリやハチなどの社会性昆虫に関する情報ばかりで、人間社会で活用できる事項などの検討などについては、無かった点です。
これは、購入するときに購入者がきちんと内容を確認すればいいことです。
本書が悪いわけではないので、付け加えておきます。
2011/09/13
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