書評:数学的思考の技術(武田)
本書には、数式は一切登場しません。
数学的思考とは、、、
「数学っぽく、ものを見て、数学っぽく、ものを考える」ということ。
本書は「給料はなぜ上がらないのか」「年金問題はなぜ起きたのか」などの日常的な疑問から、デフレ経済の処方箋、そして村上春樹文学まで、世界の旬な事象を「数学的思考法」で考えるテクニックが書かれています。
先ず第1部では、様々な「人生の問題」を数学的思考で解剖しています。
「人を上手に動かすには、何に注目したらいいのか」ということも記載されています。
第2部では、「どんな社会が幸せな社会といえるのか」という問題を扱っています。
第3部では、村上春樹の小説に数学的思考の技術を使って挑んでいます。「社会おける物語の役割」を伝えてくれます。
ここからは書評です。
ふりかえって様々な社会の継続行為は、それぞれが利益を享受できることが前提となっているのではないでしょうか。
確かにそれぞれの参加者が適切な利益を享受できないと、それぞれの関係の継続は難しいと思います。しかしその日常頻繁におこなわれる行為そのものについては、決して意識して論理的に、数学的に考えているつもりはないことが多いのも事実です。
改めてこの書籍に記載されている「数学的思考法」で物事を考えてみると、そのやり取りのひとつひとつの裏側にある意図が見えてきます。
そういう点からも、「数学的思考法」に気付かせてくれる本書は、一読の価値はあるのではないかとおもいました。
2011/03/29
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