書評:論点思考(丸本)
「論点思考」著:内田和成氏の書評です。本書は以下の問題から始まります。
【問題】
AさんとBさんの前にケーキが一つある。二人が納得するようにケーキを分けてください。さて、どのように分けたらよいだろうか?
問の答えは、「Aさんが二等分に切り、Bさんが先に選ぶ」です。
均等にわけることが問題と思われがちですが、真の問題は二人が納得することです。二人が不満を感じない方法を考えることが論点であり、この論点の設定方法を著者のコンサルタントとしての経験をまじえて解説された非常に興味深い一冊です。
本文の前段でP.F.ドラッカーの次のことばが紹介されています。
「経営における最も重大なあやまちは、間違った答えを出すことではなく、間違った問に答えることだ」"The most serious mistakes are not being made as a result of wrong answers. The truly dangerous thing is asking the wrong questions."
つまり、正しい問を解いているか?著者はこの正しい問を「論点」と呼び、この「論点」の拾いだしかたをケースを交えて解説しています。一見するとコンサルタントや経営者に求められるスキルで、普通のサラリーマンには関係のない内容と思われそうですが、社会人なら必ず読んでおくべき書籍と感じました。
上司や得意先から指示や課題を与えられ、言われたとおりにやったのに満足してもらえなかった。そんな経験をしたことがある人は多いと思います。そういう時は正しい論点が設定できていなかったのでしょう。指示をだす本人が真の問題を理解しているとは限らないので、常に自分で考えるクセをつけることが重要で、考える方法が分かりやすく書かれています。
2011/03/07
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