『LLPの会計と税務について』
前回は、LLPの外部との関係についてQ&A方式でご説明しました。今回はLLPの会計と税務について、引き続きQ&A方式でご説明します。
Q1.LLPでは、債権者の保護についてどのような規定が設けられていますか?
LLP制度では、組合員全員に有限責任制を導入する一方で、他の有限責任の組織と同じように債権者を保護するための措置を講じています。
具体的には次の2点となっています。
・組合契約の登記の義務づけや財務データの開示(財務諸表の開示。但し、公告の義務はありません。)
・組合設立時における出資の全額払込みの義務付けや債務超過時の分配の禁止。
Q2.LLPでは、財務諸表の作成や公告が義務付けられているのですか?
LLP制度では、その設立時に貸借対照表を作成し、毎事業年度ごとに、貸借対照表、損益計算書、及びその附属明細書を作成することが義務付けられています。また、これら財務諸表や会計帳簿の具体的な記載方法も定められています。
また、これらの財務諸表については、組合の主たる事務所に備えておき、債権者からの求めに応じて開示することとなっています。LLPの財務諸表には、公告の義務はありません。
Q3.LLPでは、損益を分配せずに内部留保することはできますか?
また、その場合の課税はどうなるのですか?組合の事業を通じて取得した財産を、組合員の合有財産である組合財産としておくことはできます。
ただし、この場合には、組合財産として留保をするかどうかとは関係なく、組合事業から生ずる損益はすべて組合員に帰属し、税務上もこれに応じて各組合員において課税されることとなります。
Q4.LLPの税務申告は誰が行うのですか?
LLPの事業に係る税務申告は、それぞれの組合員が、事業年度ごとに行わなければなりません。
さらに、組合の会計帳簿を作成した組合員は、組合の計算期間の終了する日が属する年の翌年1月末日までに、各組合員の所得に関する計算書を税務署に提出しなければなりません。
2005/10/28
- 特殊法人