金融所得課税一体化で倒産企業の株式も損益通算可能に!
現在、政府税制調査会で審議中の平成17年税制改正の目玉の一つに「金融所得課税の一体化」があります。
この制度の中でも特に注目されているのが「倒産して無価値化した株式」の取扱いです。
どうなる!?金融所得一体課税
この制度は、個人の金融商品取引で発生する損益を他の金融所得と相殺して納税額を減らすこと、現在の金融商品ごとにバラバラな税率や納税方法も統一していくことを目的としています。
○対象となる商品
株式・債権・投資信託・預貯金の4点
○対象とならない商品
ゴルフ会員権・投資不動産 など
この制度が導入されると、例えば、株式取引で譲渡損失が出た場合、確定申告をすれば預貯金利子などから源泉徴収で納めた税金が還付されることになります。
倒産企業の無価値化した株式も損益通算可能に!
現行制度では、株式を発行した会社が倒産して、その株式の価値がゼロになっても、税制上の損失としては取り扱われません。
その年に稼いだ所得をどのように処分するかは自由なのだから、買った株式が滅失してしまっても、それは所得を計算する際に考慮するべきものではない、という考え方に基づいています。
今回の審議では、一般の個人投資家の株式市場への参加を促進するため等から、譲渡した場合とのバランスを踏まえながら、株式譲渡損失と同様の取扱いで損益通算を可能とする方向で検討されています。
導入にあたっての問題点は?
このような株式の無価値化損失を税制で救済する場合、株式の譲渡という取引が存在しないため、株主や取得価額の真正性を税務当局がチェックできるよう、適正な執行のための担保が必要となります。
この対処方法の一つとして、納税者番号制度の導入が検討されています。
この制度を利用する納税者については、選択制で利用するという案になっています。
なお、この制度については平成16年12月中ごろに出る法案に盛り込まれる予定です。
2004/07/21
- 譲渡所得