税務関係書類保存コストの軽減 電子保存可能に期待!
今回の税務情報では、税務関係書類の電子保存の可能性についてお伝えしていきたいと思います。
以前の税務情報で、欠損金の繰越控除期間の延長に伴って帳簿書類の保存期間も一律7年となったことをお伝えしてきました。 (04/5/31税務情報参照)
https://i-nex.co.jp/headline/post_4
このため、書類保存のためのコスト増大が懸念されていました。
現在、原本が紙の書類については、税法上の書類として電子保存することは認められていません。
しかし,先日開かれた政府税制調査会の報告で「e-文書法」に、税務関係書類の電子保存(文書をスキャナで読み込んで保存する)を盛り込む検討がなされていることが明らかになりました。
電子保存が可能な書類とは?
今回は、下記の報告がされています。
<電子保存不可とされる文書>
・決算書、帳簿、契約書および領収書といった最も基本的な税務関係書類については 引き続き紙ベースの保存
<電子保存可能とされる文書>
・上記以外の書類(納品書、見積書、請求書等)については、可視性、真実性を確保で きること等の要件を満たした上で電子保存可能
・領収書等のうち比較的少額な3万円未満のものについては電子保存可能
今後の動向は?
これまで紙文書の電子データ保存については、画質の確保や改ざんの防止をどのように担保してゆくのか、また、これらを担保する電子化のためのコストとの兼ね合いが大きな障害となってきました。
しかし、e-文書法における「世の中の流れから税務関係書類の電子化の推進を積極的に検討する必要がある」という基本的な考えから、今後も電子保存に向けての様々な検討がなされることが見込まれます。
仮にこの検討内容を盛り込んだ法律が当初予定通り、平成17年4月1日から実施されることとなった場合、各業界の税務関係書類の電子保存割合が90%を超える可能性があるとの試算も出されており、書類保有コスト軽減が大いに期待できそうです。
2004/07/09
- 法人税