分掌変更による退職の有無は実態で判断
◆分掌変更による退職とは
退職金を経費として計上する時期は、一般的に役員や従業員の方々の実際の退職時期となります。
これは、現在の税制が、退職債務の見積もり計上を認めておらず、認められるのがその額が確定する退職時点となるためです。
しかし、役員の分掌変更をした場合には、実際の退職を待たずして、退職金を支給すること(=経費計上)も認められています。
具体的に、分掌変更とは、
1.常勤役員が非常勤役員になったこと
2.取締役が監査役になったこと
3.分掌変更等の後における報酬が激減(おおむね50%以上の減少)したこと
を指します。
◆退職の有無は実態で判断
このたび、平成18年度改正を織り込んだ法人税の通達改正では、この役員の分掌変更等の場合の退職給与の規定が一部改められ、分掌変更後に役員の給与が激減した事実があっても、実質的に分掌変更後もその役員が経営上主要な地位を占めていると認められる場合は、退職と同様の事実があるとは認められないという点が明確化されました。
つまり、上記の1〜3の要件のいずれかを満たせば、退職したと認められる訳ではなく、退職の有無は、形式ではなく実態で判断されることとなるのです。
従って、退職後も、経営の決定権を有している場合や、重要な責務を果たしている場合など、経営上の主要な地位を占めている役員は、退職したのと同様な事情があるとは認められないため、退職金を支給した場合には、経費とすることができません。
今回の通達での明文化により、分掌による退職金を支給する場合には、実質的に退職しているか否か、その判断にはより一層注意が必要となるといえるでしょう。
2007/06/04
- 法人税