リース取引に関する税制改正 〜Part1〜
従来のリース取引に関する会計処理は、実質的には資産の取得であっても、リース資産を貸借対照表に計上することなく、損益計算書にリース料を計上するだけの処理が認められていました。
しかし、経済的実態の反映、国際基準との統一化等の観点から、一定の要件を満たすリース契約については、その会計基準が変更されることとなりました。
会計基準の変更を受け、平成19年度税制改正では,平成20年4月1日以後に契約する所有権移転外ファイナンス・リース取引については"売買処理"とされることとなりました。
■所有権移転外ファイナスリース取引とは?
次の要件を満たすリース契約が所有権移転外ファイナンス・リース取引とされます。
(1)リース期間中の中途解約が不能
(2)借手がリース資産による経済的利益の全てを享受
(3)借手が修繕・保守・管理等のコストを負担
(4)リース期間終了後にリース資産の所有権が借手に移転しない
■売買処理とは?
リース資産を売買により取得したものとみなし、リース資産の取得価額相当額を資産計上し、資産計上したリース資産をリース期間定額法により償却。利息部分については利息法又は定額法により処理する方法です。
例えば、機械をリース料総額1200万円(利息部分200万円)、リース期間10年の所有権移転外ファイナンス・リース取引を契約した場合、次のような処理となります。
【取得時】
機械 1000万円/リース債務 1000万円
【期末】
リース債務 100万円/預金 100万円
支払利息 20万円/預金 20万円
減価償却費 100万円/機械 100万円
※利息の計算を定額法とした場合
■賃借料として処理する方法
次のいずれかの要件を満たすリース契約は上記の処理によらず、従来の「リース料を賃借料として処理する方法」が認められます。
(1)リース料総額が300万円以下のリース契約
(2)リース期間が1年未満のリース契約
(3)中小企業※が締結するリース契約
※上場企業、資本金5億円以上又は負債総額200億円以上の大会社以外の会社
2007/03/30
- 法人税