事前確定届出給与とは?〜その2〜
前回から、事前確定届出給与について記載していますが、
< https://www.i-nex.co.jp/headline/post_61 >
今回も引き続き事前確定届出給与についてQ&A方式で見ていきます。
Q.半年毎に支給する非常勤役員に対する給与は事前確定届出給与として所轄税務署長への届出が必要となりますか?
A.役員に対する給与のうち、他に定期の給与を受けていない者に対して継続して毎年所定の時期に定額を支給する旨の定めに基づき支給するものについても、事前確定届出給与としての所轄税務署長への届出が必要となります。
Q.事前確定届出給与に係る職務の執行を開始する日とはいつですか?
A.一般的には、事前確定届出給与に係る職務の執行も定時株主総会終結の時から開始されることから、「職務の執行を開始する日」とは、定時株主総会の開催日ということになります。
ただし、実務上、「職務の執行を開始する日」を定時株主総会の日以外と定めた場合であっても、その日が定時株主総会の翌月初であり、かつ、定時株主総会の日に近接する日であれば、税務上も、事前確定届出給与に係る「職務の執行を開始する日」として企業実務の観点から是認し得るものであると考えられます。
したがって、この事例の場合には、
1.まず定時株主総会において「所定の時期に確定額を支給する旨の定め」を定めて、
2.職務の執行を開始する日と会計期間3月経過日とのいずれか早い日、すなわち、6月1日と6月30日とのいずれか早い日である6月1日までにその「定め」の内容に関する届出を行い、
3.6月1日には実際に職務の執行を開始しており、
4.その「定め」どおりに、確定額として届け出た金額を支給すれば、
事前確定届出給与に該当することとなります。
Q.事前確定届出給与の所轄税務署長への届出は、いつまでに行う必要がありますか?
A.事前確定届出給与としての所轄税務署長への届出期限は、「その給与に係る職務の執行を開始する日」と「当該事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3月を経過する日」とのいずれか早い日 とされています( 法法34?二 、 法令69? )。
この届出期限については、平成18年4月1日以後最初に開始する事業年度において、上記のいずれか早い日が平成18年6月30日以前となる場合には、その届出期限を平成18年6月30日とする経過措置が設けられています(改正法令附則16?)。
ただし、この場合であっても、その給与に係る職務の執行を開始する日までに「所定の時期に確定額を支給する旨の定め」が定められていることが必要です。
2006/08/22
- 法人税