〜新会社法〜施行後の有限会社等の対応について(1)
平成18年5月施行予定の新会社法においては、有限会社制度が廃止されます。この廃止に伴い、新会社法施行後に有限会社が必要とされる対応を取り上げます。
1.新会社法施行後も有限会社として存続する場合の手続は不要
既存の有限会社は、株式会社への移行の手続きをとらない限り、特例有限会社として存続します。
特例有限会社とは、会社法の規定による株式会社で、商号中には『有限会社』の文字を用いることが必要です。
2.有限会社が新会社法施行後に株式会社に移行する手続
有限会社が株式会社に移行する場合には、現行の商法・有限会社法上は組織変更の手続きが必要となりますが、会社法上は、商号変更手続きが必要です。
●商号変更手続きは、下記の通りです。
(1)定款変更手続きを行います。
株主総会の特別決議により定款を変更して、商号を『有限会社』から『株式会社』に変更します。
(2)(1)の株主総会決議から2週間以内に、下記の登記を行います。
・特例有限会社の解散登記。
・株式会社の設立登記。
※登記日より株式会社となります。
●特例有限会社が債務超過であっても、株式会社への移行は可能です。
登記手続上は、解散・設立の形式をとるものの、実態は単なる商号変更です。このことから、債務超過の特例有限会社が株式会社へ移行する場合、新たに設立される株式会社における資本充実が害されません。
●その他の留意点
(1)株式会社にいったん移行した後は、特例有限会社に移行することはできません。
(2)事業年度は分断します。
旧来の特例有限会社が解散し、株式会社を設立しますので、会社法上は、事業年度が分断します。ただし、税務上は解散・設立はなかったものとみなし、事業年度を分断しません。 従って、それぞれの年度で決算を組んで申告書を作成し、提出する必要はありません。
2006/02/06
- 会社法・医療法等