改正会社法〜合名・合資会社の取り扱い〜
組織変更が可能になります
来年から施行される会社法では、現在認められていない合名会社・合資会社から株式会社への組織変更が認められることとなります。
会社法施行後の取り扱い
合名会社・合資会社は、有限会社と異なり、会社法施行後も存続が可能です。存続規定については、現行商法から特に変更はありません。
今回の会社法改正では下記の規定により、容易に株式会社にすることができることとなります。
・合名・合資会社から株式会社への組織変更ができる旨の規定。(会社法2条二十六参照)
・最低資本金制度の撤廃。
設立時に資本金の準備ができなかったこと等により開始した合名・合資会社にとっては朗報です。
組織変更における手続き
組織変更をする場合、下記の事項の決定や手続きの必要があります。
・目的・商号の決定
・本店所在地の決定
・発行可能株式総数の決定
・取締役の氏名の決定
・合名・合資会社の社員が取得する株式数の決定
・社員全員の合意手続き
・債権者保護のための官報等への公告手続き
税務上の取り扱いに注意
現行商法では、合名・合資会社から株式会社への組織変更は認められていませんでした。今回、会社法改正で認められる組織変更について税務上の取り扱いがどうなるのか気をつける必要があります。これまでの有限会社から株式会社への組織変更では、税務上、継続として捉えられます。
そのため、資産・負債の引継ぎに関する受贈益は認識されません。これは、有限会社と株式会社は共に「物的会社」であり、人格が同一であることが前提となっています。合名・合資会社から株式会社の場合、「人的会社」から「物的会社」への組織変更となります。異なる人格での組織変更について、税務上、現状と同様の取り扱いがされるのか、動向を注意する必要があります。
2005/11/30
- 会社法・医療法等