住宅取得資金の 贈与税優遇税制の期限切れ間近!
贈与を受けて住宅取得を考えられている方はご注意!
親などから資金援助を受けて住宅を取得・増改築しようとされている方は、優遇税制措置の適用期限が本年17年12月末となっていることに注意が必要です。
●優遇税制とは次の2つの特例を指します。
・住宅取得資金贈与の特例
・相続時精算課税を適用した住宅取得資金の贈与の特例
住宅取得資金贈与の特例
平成17年12月31日までに父母等から住宅取得資金の贈与を受け、18年3月15日までに居住する等の要件を満たした場合、1,500万円までの部分については「5分5乗方式」で贈与税を計算するというものです。
この制度を活用すると、550万円までの贈与であれば贈与税がかからなくなります。
※5分5乗方式とは、贈与額を5分の1として税額を計算し、その税額を5倍して納税額を算出する方法をいいます。
【シミュレーション】
仮に1000万円の贈与を受けた場合、特例を活用することで、230万円の節税が出来ることになります。
特例あり:(1000万円×1/5−110万円)×10%×5=45万円
特例なし:1000万円×40%−125万円=275万円
【住宅ローン控除との併用もできます】
住宅ローンで住宅を取得し、両親等から不足資金の援助を受けた場合、住宅ローン控除が受けられ、さらに贈与の特例も受けることが出来ることとなります。
【祖父母からの贈与も可能】
祖父母からの贈与でも特例の適用は可能なため、財産を一世代飛ばして孫に贈与することにより相続税の節税対策にもなり、検討する価値はあるものと考えます。
【注意点】
相続時精算課税を適用している場合には、この制度は受けられません。この制度適用後5年間は、贈与者からの贈与について相続時精算課税の選択は出来なくなります。
相続時精算課税を適用した住宅取得資金の贈与の特例
平成17年12月31日までに住宅取得資金の贈与を受けた場合には、一定の要件を満たせば、2,500万円の特別控除のほかに1,000万円の上乗せをして、合計3500万円の控除が受けられるという制度です。
有効な活用方法
・親の相続財産を減らすために子に住宅取得資金の贈与をする場合、親の財産が相続税の基礎控除額(5,000万円+法定相続人数×1,000万円)を超えるときは有効な節税が図れます。
・基礎控除の範囲内であれば、住宅取得資金贈与は、贈与税の負担が少ないこの特例の適用範囲内(1,500万円以内)にとどめるか、若しくは相続時精算課税の住宅取得資金の特例を活用しましょう。
※当然建物の価値は年数と共に下がってゆくため、場合によっては親からの援助部分を親の持分としておき、相続をした方が節税できる場合もあります。
2005/06/30
- 相続税・贈与税