欠損金の繰越控除のさらなる見直し
今回は法人税関係の税制改正のうち、欠損金の繰越控除制度について取り上げる。
【制度の概要】
欠損金の繰越控除制度は、過去の事業年度において生じた欠損金額をその事業年度の翌事業年度以降に繰り越し、所得金額から控除する制度である。
【法人税改革(法人税)】
1.大法人の控除限度額が、平成27年度改正で平成27年度に所得金額の65%、平成29年度に50%に引き下げられることとなったが、改革に伴う企業経営への影響を平準化する観点から、平成28年度に60%、平成29年度に55%に見直される。
※中小法人等は現行と同様に対象外。
2.27年度改正で全法人について繰越期間が10年(現行:9年)に延長されるが、平成30年4月1日以後(27年度改正では平成29年4月1日以後)に開始する事業年度において生ずる欠損金額に開始時期が1年延長される。
なお、帳簿保存期間、欠損金に係る更正期間、更正の請求期間も同様。
【実務上のポイント】
・大法人は、税効果会計への影響(繰延税金資産の一部取崩し)が必要である。
・連結納税制度導入の検討(黒字会計と赤字会社の所得通算による早期欠損回収)
アイネックス税理士法人 仲田
2016/05/30
- 法人税