ふるさと納税〜制度変更のポイントは?〜
平成27年度税制改正法案が、年度内ギリギリの3月31日に成立しました。
今回はその中でも最も話題となっているもののひとつ、ふるさと納税についての情報をお伝えします。
1.ふるさと納税とは?
近頃よく耳にするふるさと納税。実際にはどのような制度なのか?と思っている方も多いと思います。
ふるさと納税とは、任意の地方自治体に寄附することで、寄附金の一定額までがお住まいの地方自治体の住民税と所得税から控除される制度です。
(出典:総務省HP)
また、自治体によっては、お礼の特産品がもらえるということで脚光を浴びています。
むしろこちらの方がメインのように感じますね。
『ふるさと納税ランキング』で検索すると、特産品(米や酒、肉など)を紹介するサイトもあります。
なお、特産品については、高額返戻や換金性の高いプリペイドカード類について、ふるさと納税の趣旨に反するということで、総務省が自治体に自粛を求めたというニュースでも話題になりました。
2.改正点は?
ふるさと納税についての改正点は以下の二つです。
▸ふるさと納税枠が約2倍に!
ふるさと納税の住民税の控除限度額が、所得割額の約1割から約2割に改正されました。
→枠が2倍とは具体的にどのくらい?と思われた方もいらっしゃると思うので目安をお伝えしますと・・・
例1:夫婦(専業)子一人(高校生)年収500万円で59,000円
例2:夫婦(共働き)子二人(大学生・高校生)年収700万円で83,000円
以上のようになります。
下記リンクに詳しい目安が載っておりますので、一度確認してみてはいかがでしょうか。
http://www.soumu.go.jp/main_content/000254926.pdf
▸手続きが簡単に!(「ふるさと納税ワンストップ特例制度」の創設)
→「ふるさと納税ワンストップ特例制度」とは?
(1)内容
ふるさと納税の寄附団体先が少ない場合に限り、一定の申請をすることで確定申告をしなくて済む特例制度です。
改正前はふるさと納税の適用を受けるためには確定申告が必要でしたが、これがふるさと納税を躊躇する要因のひとつであることから、このような特例制度が設けられました。
(2)要件
1.ふるさと納税先団体が5団体以下である
2.確定申告をする必要がない
3.各ふるさと納税先団体に特例の適用に関する申請書を提出する
4.平成27年4月1日以降の寄附である
(出典:総務省HP)
3.改正のポイント
・手続きの簡素化によりふるさと納税を手軽にできる
・枠が2倍になったことで、改正前よりも多くの寄附ができる。(自治体によっては特産品も多くもらえる)
4.注意点は?
・ワンストップ特例申請書の提出をしない場合には、従来通り確定申告が必要となります。
・平成27年3月31日以前の寄附については確定申告が必要です。
・住宅ローン控除を受ける方は、メリットを最大限享受できない可能性があります。
・ふるさと納税で受け取る特産品は一時所得となり、50万円を超えると課税されます。そのため、その年に他の一時所得がある方は注意が必要です。
・特産品については基本的に年に一回しかもらえない、旬の食べ物などは寄附の期限が設定されている、など自治体によって制約がある場合がありますので、寄附する前に寄附先の自治体のホームページをよくご確認ください。
以上、ふるさと納税について簡単にお伝えしました。
今回の改正で、5団体以下の自治体に寄附する場合には確定申告をしなくてもよくなったので、ふるさと納税に対するハードルが下がり、ふるさと納税がより身近なものになることと思います。
また、元々確定申告をする必要のある方(2箇所から給料を受け取っている方、事業を行っている方など)は、ふるさと納税の枠が約2倍になったのでより多くの寄附をすることができます。
ふるさと納税に興味はあったけどなかなか一歩踏み出せなかった方、この機会に一度試してみてはいかがでしょうか?
アイネックス税理士法人 新開
2015/04/30