電話加入権の廃止の行方は?
現在、電話加入権の廃止に向けての動きに伴い、その資産価値および、税務上の取り扱いが見直されようとしています。
電話加入権とは、、、
そもそも、電話加入権とは、契約者が契約に基づいて加入電話の提供を受ける権利で、当初インフラ整備のために資金の一部を加入者に負担してもらったことが起因となっています。
また、質権設定が認められているため財産として取り扱われ、滞納した場合の差押の対象にもされています。
加入者負担の累計額は4兆7千億円に上るものとみられ、法人の場合、無形固定資産として計上されています。
売買や転売ができることから仲介業者も存在しますが、解約したからといって、NTTから返金してもらえるわけではありません。
現在、インフラ整備も一段落し、施設負担金を徴収する意味もなくなってきました。さらに負担金を徴収しない競合会社も存在しています。
このような情勢により負担金は新規顧客獲得の大きな足かせとなっていました。
以前よりNTTでは、施設負担金をなくし、月々の基本料金に少々上乗せすることにより加入できるライトプランを導入しており、廃止への布石とも考えられています。
今後の動向は?
これまで、財産として取り扱われているものを、NTT側の一方的な都合により廃止することについては、各方面から強い反発が持ち上がっています。
廃止が現実のものとなれば、仲介業者による買取もストップし、当然転売もできないため、財産的価値はなくなってしまいます。
今月5日には、NTT東西会社は、廃止を白紙とし、来年3月から施設負担金を半額とする方針を発表しています。
しかし、いったん廃止論が持ち上がった以上、電話加入権の市場価値は限りなく低くなるものと考えられます。
日本経団連は「廃止の方向でとらえている」としており、一括償却を認めるよう自民党や財務省に要望書を提出しています。
2004/11/10
- 法人税