税務情報ヘッドライン

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名義預金について

「土地や株を子に名義変更したり、子名義で買ったら原則は贈与課税」と通達で定められています。

今回は、上記に関連して「名義預金」についてのお話しましょう。


1:はじめに

 相続税法基本通達9-9において、「不動産、株式等の名義があった場合において対価の授受が行われていないとき又は他の者の名義で新たに不動産、株式等を取得した場合においては、これらの行為は原則として贈与として取り扱うものとする」と規定されています。

 当該通達において、不動産、株式等と記載されているものの「預金」は含まれておりません。
 すなわち子名義で預金しただけでは、この段階でうは、贈与とはなることはありません。


2:通達に「預金」がないのはなぜ?

 例を挙げます。親は預金1億円を子に名義変更し、通帳印鑑は親が管理したとします。
 10年が経ち、その後相続税の税務調査が行われました。調査官は「子名義ですが、元々は親の預金、実質的に親の財産なので相続税課税します。」と言うのが通常と考えられます。

 仮に、もし上記通達に「預金」と明記され、「預金の名義変更も贈与税課税である」ということであれば、納税者は逆に反論することができる余地があります。

 というのは、「名義変更をしたら贈与だと規定されているとすれば、10年前に贈与済みなので相続税の課税対象ではないですよね」と。また贈与税申告をしていないと指摘されたら、贈与税申告はしていないが時効が過ぎているため申告も納税の義務もありません。

 こうなると、課税庁側も贈与課税の主張をすることは難しくなります。

 では、相続税課税という点からはどうでしょうか?
 「預金」の文字がない現行通達であれば、「贈与税申告しておらず、また親管理下の預金である場合、10年前の名義変更に贈与はなく、親が子の名義を借用しただけ。」要するに、相続税の申告漏れとして、課税を主張することでしょう。
 
 この場合、納税者側とすれば10年前に贈与済みと主張できますが、預金が親管理下ならばなかなか厳しいでしょう。


3:贈与したか、贈与履行したのか

 以下を例とします。
 98年、03年、04年の各年に子ら6人に各110万円、計1,800万円贈与をしたつもりでした。
 子らと贈与する・贈与を受けるやりともしました。親は、子名義の通帳に各110万円入金し管理します。
 07年に親は亡くなり、子名義の通帳は渡されたが届出印は親管理のまま。
 子は基礎控除内である110万円の贈与を受けたと考え贈与申告をしておりませんでした。

 ところが、相続税の税務調査が始まりました。法廷で争われ、国税不服審判所は「贈与はなかった」と判断しました。
 これは平成23年8月26日採決で、子ら名義の預金1,800万円は相続税の課税対象とされました。

 ここで問題なのは、贈与・受贈する口頭契約では非課税枠内の贈与と判断されず、相続税課税になるということです。
 親が子名義で預金をしただけで、子らに確定的に財産が移転されていなかったということです。


 どうすれば良かったのか・・・・この場合子管理の通帳に送金したり、現金手渡し贈与が良かったのでしょう。
 資金管理と資金移動の事実など総合的に勘案し、決定するのですね。


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2015/09/30

  • 相続税・贈与税

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