出国税導入の検討へ
政府・与党は21日、富裕層の税逃れ対策を強化する検討に入りました。
1億円を超える金融資産を持つ富裕層が海外に移住する場合は株式などの含み益に所得税を課税するという内容です。
2015年度からの実施を目指しているとのことです。
財務省は富裕層の出国時株式値上がり益に課税したいと、政府及び自民党税制改正で「出国税」創設を目指しております。
非居住者の株式売却を例に考えてみましょう。
1:非居住者の株式売却益について
非居住者である香港人が日本の会社株式を売却した場合、売却益への課税権は日本にあるでしょうか?
・・・・答えは売却した人の居住国「香港」にあり、売却株式の発行会社の所在国である「日本」ではありません。
また、株式を持ったまま日本から香港へ出国し、日本の非居住者になってから株式の売却を行いました。
これについても課税権は日本ではなく香港にあります。
この場合、香港では株式売却益自体が非課税であるため、株式に係る譲渡税は無しで済みます。
日本には出国する際の課税制度はありませんが、他国はどうでしょうか?
アメリカ・ドイツ・フランス等は出国等の際に保有株式の値上がり益への課税制度があります。
出国時において、売却せず保有したままでも値上がり益(含む益)に課税されます。
2:まとめ
2014年からの国外財産調書で5,000万円超の国外財産があれば税務署に明細を提出することが必要です。
また、2015年からは国外証券移管等調書制度が始まり、所有株式を国内証券口座から国外口座へ移管すると、
証券会社が税務署に通知を行い把握されます。
要するに、外国への財産の移転については今後は厳しい目で見られ、課税漏れ対策が進められていますので、今後の動きにご注意ください。
2014/11/28
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