贈与の翌日に居住用財産を売却で3,000万円控除は!?
所得税法の規定に居住用財産を売却したときは、所有期間の長短に関係なく
譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる特例があります。
この規定を活用して居住用財産を親から子に贈与した後、
直ちに第三者に売却した場合に当該譲渡に係る譲渡所得につき、同規定の適用を受けることができるのか!?
今回は下記の質問を例としてご説明させていただきます。
「私は父から使用貸借により土地を借りて居住用家屋を所有していましたが、
その家屋の敷地を父から贈与により取得した後、直ちに家屋とともに譲渡しました。
・・・当該家屋と敷地につき居住用の特例を受けられますか?」
贈与により取得した後、直ちに譲渡すると
「特例を受けることだけを目的として入居したと認められる家屋」として
適用除外に該当すると思われるかもしれませんが、
今回の質問のケースは土地は従来から自己の居住用家屋の敷地として使用されており、
特例適用を受けることのみを目的として一時的に居住用家屋の敷地の用に供されたものとはいえないと考えられます。
したがって、質問のように贈与後に直ちに譲渡した場合でも
3,000万円控除の特例の適用を受けることが可能と考えられるでしょう。
しかし、平成22年6月24日の国税不服審判所において、贈与を受けてからが所有者の立場であり、
所有者となった時点においては、既に売却の意思が決定済みで居住する意図がなかったとして
特例の適用は不可という裁決が下されています。
簡単にいうと贈与時に既に売却話が進んでいたら特例の適用は受けれないということです。
では贈与から譲渡までどれくらいの期間を設ければ特例の適用が受けられるのか
ということとなりますが同規定において、明確な期間は存在しないので
このようなケースを検討される場合には1日も早く贈与をしておくことが特例の適用を受けるための鍵となります。
2013/11/06
- 相続税・贈与税