【インボイス登録番号が令和5年10月1日以降に通知される場合の対処方法について】
【前置き】
・法人の場合、通知前でも登録番号(T+法人番号)はわかりますが、登録が完了するまではインボイス登録番号を記載できません。
・個人事業主に関しては、通知があるまでは登録番号はわかりませんので、インボイス要件を満たした請求書を発行できません。
※登録にかかる期間は、
・電子申告:約1か月
・書面申請:約2.5か月
→そこで、インボイス通知前において、下記の事後対応が認められています。
<結論>
■売手の取扱いについて(法人・個人共に同対応)
1. 登録番号が通知されない場合の対処方法(下記いずれかの対応が認められています)
・事前にインボイスの交付遅延を通知し、後日通知を受けてからインボイスを交付する。
・登録番号のない請求書を通知後に交付し、後日改めてインボイスを交付する。
・通知後に不足する登録番号を明らかにした上で、書類やメールで通知する。
2. 小売店などの特殊なケースへの対応方法
・インボイスの交付が遅れる旨を公式ウェブサイトや店頭に掲示する。
・登録番号通知後に公式ウェブサイトで情報を掲載し、顧客に対処法を案内する。
※対処法につき、詳細まとめを参照下さい。
■買手の取扱いについて(法人・個人共に同対応)
・事業者が登録を受けることが確認できている場合、登録番号のないインボイスでも税額控除が可能。
・登録番号がない場合でも、翌課税期間での仕入税額控除の減額で対応可能。
■インボイスは複数の書類で補完可能
・インボイスに不備があっても、上記の様に他の書類で不備を補完できる。
<詳細まとめ>
【10/1以降に登録通知が未達の場合】
■売手の取扱いについての詳細(下記いずれかの対応が可能)
Q1. 通知がない期間、インボイス交付はどうすれば良いか?
① 事前にインボイスの交付が遅れる旨を先方に伝え、通知後にインボイスを交付する。
② 通知を受けるまでは登録番号のない請求書等を交付し、通知後に改めてインボイスを交付し直す。
③ 通知後にすでに交付した請求書等との関連性を明らかにした上で、インボイスに不足する登録番号を書類やメール等でお知らせする。
Q2. 事後交付が困難な小売店などはどう対応するか?
→事前にインボイスの交付が遅れる旨を事業者のHPや店頭にて相手方にお知らせしたうえで、下記2点のいずれかの対応が可能。
・事業者のHP等において「弊社の登録番号は『 T1234…』となります。令和5年10月1日から令和5年●月●日(通知を受けた日)までの間のレシートをお持ちの方で仕入税額控除を行う方におきましては、当ページを印刷するなどの方法により、レシートと併せて保存してください」と掲示する。
・買手側からの電話等に応じ、登録番号をお知らせし、相手方にその記録をレシートと併せて保存してもらう。
- これらの取扱いは、登録申請は令和5年9月までに行ったものの、令和5年10月1日までに登録番号の通知が届かなかった場合の経過的な取扱いとなる。したがって、登録番号を記載したインボイスを交付できるようになった日以降は、記載事項を満たしたインボイスを交付していただく必要がある点に留意が必要。
■買手の取扱いについての詳細
Q3. 売手から登録番号のないインボイスを受領したのち、登録番号のお知らせ等が届かないまま申告期限を迎えたが、仕入税額控除を行ってよいか?
事前にインボイス発行事業者の登録を受ける旨が確認できたときは、受領した登録番号のない請求書等に記載された金額を基礎として、仕入税額控除を行うこととして差し支えない。
※事後的に交付されたインボイスや登録番号のお知らせを保存することが必要。
北村
2023/10/19
- 消費税