平成23年から扶養控除の金額が変わります!
1.はじめに
高校の授業料の実質無償化が今年4月から始まり、6月から子ども手当の支給もスタートしています。
これに伴い平成22年度の税制改正において、次のように扶養控除の見直しが行われました。
改正内容
? 一般の扶養親族のうち、16歳未満の人に対する扶養控除(38万円)が廃止
? 特定扶養親族のうち、16歳以上19歳未満の人に対する扶養控除について、上乗せ部分(25万円)が廃止され、扶養控除の額が38万円に変更
この改正は、平成23年分の所得税から適用されます。
2.年少扶養親族に対する扶養控除の廃止 (?について)
扶養親族のうち16歳未満の人を年少扶養親族といい、現在38万円の所得控除が認められています。
相対的に高所得者に有利な所得控除から、相対的に支援の必要な人に有利な手当に切り替えるという「控除から手当へ」の考え方の下、
子ども手当の創設とあいまって、年少扶養親族に対する扶養控除が廃止されることになりました。
そのため、平成23年1月支給の給与より、年少扶養親族に該当する人は扶養親族等の数に含まれません。
3.16歳以上19歳未満の扶養親族の扶養控除上乗せ部分の廃止 (?について)
教育費等の支出がかさむ世代の税負担の軽減を図る目的から、高校入学から大学卒業を念頭に、
16歳から22歳までの扶養親族を特定扶養親族として、扶養控除に25万円の上乗せが認められています。
しかし平成22年度税制改正において、高校の授業料が無償化されたことに伴い、
16歳から18歳までの扶養親族に対する扶養控除の上乗せ部分が廃止されました。
そのため、特定扶養親族の範囲は19歳以上23歳未満の扶養親族となっています。
4.具体例
例えば、高校生と中学生の2人のお子さんがいらっしゃるご家庭の場合、
扶養控除が63万円減額されますので、
納税者の限界税率が40%であれば252,000円の税負担増、
納税者の限界税率が5%であれば 31,500円の税負担増となります。
一方、子ども手当(月額13,000円)と高校授業料無償化(年額118,800円 ただし保護者の所得に応じて一定の加算あり)
により、274,800円が別途支給されます。
5.まとめ
扶養控除の金額をまとめると以下のようになります。
平成22年まで 平成23年以降
0歳〜15歳 38万円 0円
16歳〜18歳 63万円 38万円
19歳〜22歳 63万円 63万円 (変更なし)
23歳〜69歳 38万円 38万円 ( 〃 )
70歳〜 48万円 48万円 ( 〃 )
2010/10/11
- 所得税