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家族信託と成年後見制度の違い


◆成年後見制度

認知症や重度の精神障害などを負うことにより判断能力が低下し、財産管理や身上監護に不安のある方を法的に保護する制度です。

「本人の保護」を目的とした制度のため、贈与や資産運用を目的とした積極的な財産の処分、管理などは成年後見制度内では不可能です。

預貯金はそのまま維持するのが基本であり、投資信託や不動産の購入なども困難です。

したがって、成年後見人が選任された場合は、相続税対策として行う生前贈与や不動産の賃貸管理、売買等が不可能となります。

各家庭裁判所により異なりますが、財産額が一定以上ある場合や収入が多額な場合、親族が後見人になれない可能性が高く、裁判所が親族以外の職業後見人(弁護士や司法書士等)を選任することが少なくありません。選任された他人である成年後見人が、独自の判断で、被後見人にお金が必要という事情があれば、成年後見人の判断で家族の同意なしに財産の売却や解約が可能です。(例:療養看護費用を捻出目的で不動産等を売却)

また、本人が悪徳商法に騙されて高額商品の契約をしてしまった時、成年後見人には、「取消権」という権利があり、契約を取り消すことができます。

なお、成年後見人の権限は、本人の死亡により無くなります。


◆家族信託

判断能力のある本人(委託者)が、信頼できる家族・親戚等(受託者)と信託契約を締結することにより、契約締結後に認知症発症などによる判断能力が低下した場合も、信託の契約や効力が継続されます。

家族信託は、本人の保護ではなく「本人の目的達成(受益者に財産を引き継がせる等)の保護」であり、信託の目的を達成するという「手段」です。

信託契約書において受託者に権限を持たせていると、対象とした不動産を受託者の判断で売却することも可能です。

ただし、家族信託には、身の回りの手続きや契約などの「身上監護」機能はありません。

施設との契約、介護保険契約、医療の契約など、家族が代わりに契約できない場合、成年後見人を必要とされることがありますが、家族信託では対応することができません。

また、委託者である本人が死亡しても契約書で指定すれば、信託を終了せずにそのまま受託者が財産管理を続けることも可能です。(死亡時に信託を終了し、指定した人に財産を交付することも可能です。)



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2019/08/08

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