国外事業者に支払う手数料にご注意を!(リバースチャージ)
皆様こんにちは。
アイネックス税理士法人の森と申します。
今回は、Googleアドワーズや民泊サービスの利用により支払う手数料について
注意が必要であることをお知らせ致します。
結論から申し上げますと、
事業者様がGoogleアドワーズの利用により国外事業者に支払う広告宣伝費や
民泊ホスト様がAirbnbやBooking.comなどの民泊サービスの利用により
国外事業者に支払う手数料(Airbnbサービス料やコミッションなどと呼ばれています)は
リバースチャージの対象となり、仕入税額控除の対象とならない場合があります。
リバースチャージとは何かを簡単にご説明しますと、
手数料を支払った事業者様がその支払った手数料に係る消費税を
申告・納付する課税方式のことをいいます。
ただし、一般課税で、かつ、課税売上割合が95%以上の課税期間である場合や
簡易課税制度が適用される課税期間である場合には、
当分の間、消費税法上これらの取引がなかったものとされ、
これらの取引にかかる消費税を納める義務はありません。
詳細につきましては、過去の記事又は国税庁HPをご参照下さい。
過去の記事 → https://www.i-nex.co.jp/headline/post_212
国税庁HP → https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/sh...
さて、今回お知らせする注意点は、
納める消費税についてではなく、
納める消費税から控除することができる消費税(仕入税額控除)についてです。
どのような場合に問題になるかと言いますと、
前述但し書きの「一般課税、かつ、課税売上割合が95%以上の課税期間」の
要件に該当する場合です。
なぜなら、但し書きの要件に該当しますと、
消費税法上それらの取引がなかったものとされ、
納める消費税がないことはもちろん、
納める消費税から控除することができる消費税もないことになります。
従って、これらの取引を誤って課税仕入れ(仕入税額控除)にしてしまいますと、
その分、消費税の納付漏れが生じることとなり、
多額の罰金が課されることになります。
その他、勘違いされるケースとして、
国外事業者が日本国内に資金回収をするための子会社等を設置している場合に、
支払者側は日本法人に手数料を支払っていると考え、
課税仕入れとして処理している場合がありますが、
あくまで役務提供者は国外事業者であり、
不課税仕入れとして処理しなければならない場合が多々ありますので、
国外事業者と取引をする際は必ず契約条項・約款・請求書等を確認し、
リバースチャージの対象となるか、仕入税額控除の対象となるかを
確認するようにお願い致します。
もしも、Googleアドワーズや民泊サービスを利用されている場合は
消費税の処理を間違えないようにご注意下さい。
余談になりますが、
GoogleアドワーズやYahoo!プロモーション広告は前払方式となりますので、
決算期末付近での支払に係る広告宣伝費を前払費用に振り替える処理を
失念することのないようお気をつけ下さい。
それではこれにて失礼致します。
アイネックス税理士法人 森 優
2017/06/09
- 消費税