税理士川端雅彦コラム

KAWABATA MASAHIKO COLUMN

VOL57「強化される税務調査!」

 政府は2010年初頭にプライマリー・バランスの均衡を図ることを、財政再建の「努力目標」としている。プライマリー・バランスとは要するに歳出と税収の帳尻が合うようにすることであるが、現実的にそれだけでは、財政破綻は回避できない。
 なぜなら、それでは公債の利払いができないからであり、その金利分、公債残高=国の借金は増加することになるからである。
 むずかしい話は、端折るとして、要するに「税金の自然増収による財政再建を図るのは、無理」なのである。
 加えて、「増税なしに歳出削減だけで財政赤字の削減を図るのも、無理」なのである。なぜなら、急速に進む高齢化と少子化は、歳出削減にマイナスに働くからである。
 そうすると、残るは、増税である。消費税を10%に引き上げたり、定率減税を段階的に廃止すべしという議論が、メディアを通じて我々の耳に入ってくるが、実際に財政再建ができうるほど増税できるかどうかは不透明である。
 したがって、最後の最後に残るのは「税務調査を厳しくして、増収を図る方法」である。
 事実、昨今の税務調査においても税務当局は徴税努力を強化しているように感じられる。例えば、赤字法人であっても、源泉や印紙税、消費税なども、こと細かく見るようになってきている。
 ある公益法人では、収益事業の範囲を見誤り、消費税をごそっと持っていかれたという話も聞いている。
 税務調査の基本は、期間損益が適切かどうか。売上げなど収益の除外がないかどうか。が主なものであるが、今後は、経費として適切かどうかも厳しく調査されることになるだろう。
 
 したがって、納税者としては経費性を証明する様々な資料を揃え、立証できるようにしなければ余計な税金を払ってしまうことになる。
 いずれにしても、厳しい調査には、毅然とした納税者の意識と行動が必要になってくるのである。

京都・大阪の税理士ならアイネックス税理士法人

2004/11/15

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