vol.44「応援団長 小泉純一郎」
■Vol44 2001年7月15日
小泉政権が快進撃を続けている。他の自民党員までが高支持率の恩恵を受け、東京都議会選挙においても大勝している。そんな折りに、経済財政諮問会議より「骨太の方針」が6/26日に決定された。
骨太の方針の理念は「聖域なき構造改革」であり、景気対策のための財政出動は基本的に行わない「財政構造改革」である。そして、一部の評論家の間では、この財政再建についてすこぶる評判が悪い。過日のテレビ番組でも、堺屋元経企庁長官が「今回の景気悪化のなかの財政再建で三番底を付けに行く」とコメントしており、リチャード・クー氏においては、いまだに財政出動による景気下支えを声高に叫んでいる。(実際、彼の声はちょっと甲高いと思うのだが、、)
しかしである。景気がこれ以上悪化すると、不良債権処理にも支障をきたすなど、一部理解できる側面はあるが、景気対策という大義名分のもとに、生活の改善につながらず、将来に禍根を残す「小手先の景気対策」に「NO!」という意思表示を国民はしたのである。
つまり、小手先の景気対策の議論に終止符を打つべきであり、むしろ、議論すべきは「創造的破壊としての聖域なき構造改革」から、いかなる雇用が創出されるのか、特に事業家にとっては、どのようなビジネスチャンスがうまれるのか、である。
島田晴雄教授は諮問会議の緊急報告*において、構造改革を「後始末型の構造改革」と「雇用創出型の構造改革」の2つに分けている。前者は、不良債権処理などの過去の累積された問題を解決するものであり、後者は、痛みは伴うが、将来に希望を持たせるものである、としている。
また、「雇用創出型の構造改革」を推し進めると530万人の雇用が創出されると推測している。
この530万人の内訳をみると、以下のようになっている。
個人向け・家庭向けサービス 195万人
社会人向けサービス 20万人
企業・団体向けサービス 90万人
住宅関連サービス 55万人
子育てサービス 35万人
高齢者ケアサービス 50万人
医療サービスサービスの創出によるもの 55万人
リーガルサービス 20万人
環境サービス 10万人
要するに、政府は「何もしませんよ。そのかわり皆さんが自由に出来る機会を提供しますよ。」とメッセージを発信しており、我々は景気ではなく、この「雇用創出型の構造改革」が公約どおり進んでいるかをウォッチすると同時に、事業家は、実現された構造改革を生かすビジネスチャンスを虎視眈々と狙わなければならない。これは、中小企業にとっては「下克上」を実現できる最大の機会が到来したと思えてならない。
日本には1400兆円もの金融資産が消費、又は投資すべきものはないかと行き場もなくさ迷っていおり、将来に対する安心感が出てくれば、それが市場にどっと流れ出てくるのは間違いないのである。
では、どのようなビジネスチャンスがあるかということであるが、上記「緊急報告」を引用すると「蓄積した資産の使用価値を高める産業」である。つまり、「今まで我々が蓄積した世界最大と言えるような人的資産や金融資産、住宅資産、物的資産、自然資産、企業資産、自治体の資産などの価値を最大に生かすようなサービス」である。既に、膨大な資産があるわけだから、わざわざ設備をもたずとも、それらの資産を利用する、あるいは使用価値を高めたり、メンテナンスをするサービスを考えればよい。
さらに、情報インフラとして着実に整備されつつある*ブロードバンド時代の到来は、これらのサービスを効率的に提供できるばかりか、効果的に、かつ広がりを持たせてくれることは間違いない。例えば、ソフトバンクがブロードバンド事業に進出したニュースを聞かれた方も、多いと思います。そして、このブロードバンドこそ、今まで蓄積されてきたコンテンツやノウハウ、技術という資産と上記の資産を、ネットワークする最大の武器になるだろうと思う。
小泉改革を阻む最大の敵は自民党の族議員である。彼らは景気が悪化すると声高に「小泉おろし」を大合唱するに違いない。その時、改革を推し進める原動力は我々国民の「世論」である。そのためにも、我々は「聖域なき構造改革」の前向きな部分をしっかりと見据え、出きるだけ早く、前向きな結果を実現しなければならない。だから、小泉さんは、リーダーであると同時に、応援団長なのである。なぜなら、プレーヤーは我々国民なのだから。
*「経済財政諮問会議 サービス部門における雇用拡大を戦略とする経済の活性化に関する専門調査会 緊急報告」について
*ブロードバンドとは、伝送容量が通常の電話回線に比べ15〜1500倍、しかもコストが50分の1から、1000分の1になるIT分野の新技術
小泉政権が快進撃を続けている。他の自民党員までが高支持率の恩恵を受け、東京都議会選挙においても大勝している。そんな折りに、経済財政諮問会議より「骨太の方針」が6/26日に決定された。
骨太の方針の理念は「聖域なき構造改革」であり、景気対策のための財政出動は基本的に行わない「財政構造改革」である。そして、一部の評論家の間では、この財政再建についてすこぶる評判が悪い。過日のテレビ番組でも、堺屋元経企庁長官が「今回の景気悪化のなかの財政再建で三番底を付けに行く」とコメントしており、リチャード・クー氏においては、いまだに財政出動による景気下支えを声高に叫んでいる。(実際、彼の声はちょっと甲高いと思うのだが、、)
しかしである。景気がこれ以上悪化すると、不良債権処理にも支障をきたすなど、一部理解できる側面はあるが、景気対策という大義名分のもとに、生活の改善につながらず、将来に禍根を残す「小手先の景気対策」に「NO!」という意思表示を国民はしたのである。
つまり、小手先の景気対策の議論に終止符を打つべきであり、むしろ、議論すべきは「創造的破壊としての聖域なき構造改革」から、いかなる雇用が創出されるのか、特に事業家にとっては、どのようなビジネスチャンスがうまれるのか、である。
島田晴雄教授は諮問会議の緊急報告*において、構造改革を「後始末型の構造改革」と「雇用創出型の構造改革」の2つに分けている。前者は、不良債権処理などの過去の累積された問題を解決するものであり、後者は、痛みは伴うが、将来に希望を持たせるものである、としている。
また、「雇用創出型の構造改革」を推し進めると530万人の雇用が創出されると推測している。
この530万人の内訳をみると、以下のようになっている。
個人向け・家庭向けサービス 195万人
社会人向けサービス 20万人
企業・団体向けサービス 90万人
住宅関連サービス 55万人
子育てサービス 35万人
高齢者ケアサービス 50万人
医療サービスサービスの創出によるもの 55万人
リーガルサービス 20万人
環境サービス 10万人
要するに、政府は「何もしませんよ。そのかわり皆さんが自由に出来る機会を提供しますよ。」とメッセージを発信しており、我々は景気ではなく、この「雇用創出型の構造改革」が公約どおり進んでいるかをウォッチすると同時に、事業家は、実現された構造改革を生かすビジネスチャンスを虎視眈々と狙わなければならない。これは、中小企業にとっては「下克上」を実現できる最大の機会が到来したと思えてならない。
日本には1400兆円もの金融資産が消費、又は投資すべきものはないかと行き場もなくさ迷っていおり、将来に対する安心感が出てくれば、それが市場にどっと流れ出てくるのは間違いないのである。
では、どのようなビジネスチャンスがあるかということであるが、上記「緊急報告」を引用すると「蓄積した資産の使用価値を高める産業」である。つまり、「今まで我々が蓄積した世界最大と言えるような人的資産や金融資産、住宅資産、物的資産、自然資産、企業資産、自治体の資産などの価値を最大に生かすようなサービス」である。既に、膨大な資産があるわけだから、わざわざ設備をもたずとも、それらの資産を利用する、あるいは使用価値を高めたり、メンテナンスをするサービスを考えればよい。
さらに、情報インフラとして着実に整備されつつある*ブロードバンド時代の到来は、これらのサービスを効率的に提供できるばかりか、効果的に、かつ広がりを持たせてくれることは間違いない。例えば、ソフトバンクがブロードバンド事業に進出したニュースを聞かれた方も、多いと思います。そして、このブロードバンドこそ、今まで蓄積されてきたコンテンツやノウハウ、技術という資産と上記の資産を、ネットワークする最大の武器になるだろうと思う。
小泉改革を阻む最大の敵は自民党の族議員である。彼らは景気が悪化すると声高に「小泉おろし」を大合唱するに違いない。その時、改革を推し進める原動力は我々国民の「世論」である。そのためにも、我々は「聖域なき構造改革」の前向きな部分をしっかりと見据え、出きるだけ早く、前向きな結果を実現しなければならない。だから、小泉さんは、リーダーであると同時に、応援団長なのである。なぜなら、プレーヤーは我々国民なのだから。
*「経済財政諮問会議 サービス部門における雇用拡大を戦略とする経済の活性化に関する専門調査会 緊急報告」について
*ブロードバンドとは、伝送容量が通常の電話回線に比べ15〜1500倍、しかもコストが50分の1から、1000分の1になるIT分野の新技術
2003/10/01