税理士川端雅彦コラム

KAWABATA MASAHIKO COLUMN

vol.22「蘇る日本企業」と「没落する日本国家」

マルチメディア総合研究所の発表によると、東京、名古屋、大阪の3大電気街で の4〜6月期のパソコンの販売台数は前年同期比21.3%の減少となっている。
そこには、企業向けの販売は依然好調だが、個人向けが落ち込み、マニアには売れ ても一般消費者への浸透はこれ以上難しい事実が浮かび上がってきます。パソコン 先進国といわれる米国でも普及率はは40%と、ほぼ頭打ちの状態となっています。(米データクゥエスト調べ)
ウィンドウズ95や、インターネットが現在のパソコンブームの火付け役になったのは事実ですが、いざ使うとなると、一生懸命勉強しなければなりません。ビジネスで使う必然性があれば、ものにすることもできますが、家庭の主婦がそこまでしてオンラインショッピングを楽しもうという気になれないでしょう。
したがって、パソコンの普及率も、限界が来ることが予測されます。そこで、次の 主役を握るのはデジタル家電ではないでしょうか。音 響、映像の領域は、次々と品質の高いデジタルに置き換わり始め、放送のデジタル化も着々と進みつつあります。家電の市場は、パソコンよりもはるかに大きく、今後、デジタル家電とパソコンが融合し、「ネット家電」として普及し、新しいデジタル社会の幕開けを告げる日もそう遠くないのではないでしょうか。そして、この分野における技術の優位性は日本企業の独壇場となっているようです。デジタルビデオカメラや、デジタルビデオディスクなどは日本のメーカーがこぞって開発し、世界へ広がった事実を忘れてはなりません。家電には老若男女を問わず、だれでも簡単に使えるノウハウがすでに構築されています。パソコンのように一生懸命、試行錯誤しながら学習する必要もないでしょう。アップルコンピューターのスティーブジョブスも「デスクトップの時代は終わった。」と発言しています。パソコンは、ビジネス以外で主役を握ることはできないということでしょう。
そして、家電のなかでも、次世代デジタルテレビが最も大きな市場と予測されており、2000年から日本でも地上波でのデジタルテレビ放送が始まりますが、最も利益を得るのは日本企業であるとの予測がされています。
マイクロソフトもその動きをにらんで、ウェブTVネットワークを買収しましたが、日本企業の「総合力」が、再び世界をリードする可能性は非常に高いと思います。この総合力は、デジタル家電だけはありません。電子マネー「モンデックス」においても、ICカードのチップは日立が、「電子財布」といわれる機器は沖電気と松下電器が「広範な事業経験があり、将来性が高い。」という理由で選ばれています。さらに、地球温暖化を抑制する低公害車開発でも、日本企業は一歩進んでおり、その技術が将来標準化を握る可能性は高いと予測されています。収益率を極端に重視する米国企業の「健全な赤字部門」を作ってこなかったツケが、回ってくるかもしれません。
このように「日本メーカーの総合力」は日本経済の起爆剤となる可能性をもっています。もちろん可能性であり、様々な問題が待ち受けていることでしょう。しかし、各メーカーの技術者達が、日夜、「知恵を絞り、汗をながして」その技術を作り上げてきた事を忘れてはいけません。本当に優秀な日本の「財産」といえる人達です。彼等や、彼等の会社から税金をとることに躍起になるのではなく、この労に報いることができる「豊かで活力ある社会」を、早急に造り上げなければなりません。そうしなければ、本当に彼等は日本を離れてしまうでしょう。そのために、政治が果たす役割は大きく橋本首相には「火だるま」になってもらわないとだめなのです。世界化した「蘇る日本企業」と「没落する日本国家」は、経済がグローバル化している今日、十分想定し得る「シナリオ」なのです。

京都・大阪の税理士ならアイネックス税理士法人

2003/09/17

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