税理士川端雅彦コラム

KAWABATA MASAHIKO COLUMN

vol.16「戦略立案の初めの一歩」

皆さんご承知のとおり、今年の7月9日アップル社のギルバートアメリオ会長が解任されました。アップル社はかねてより、いろいろとマイナス面で取り沙汰されており、いよいよ自力再建が困難になってきたと噂されております。アメリカンドリームの象徴であるアップル社が、このような状況になることは少し残念な気がします。ここで私は、アップル社の将来性についてどうこう言うつもりはさらさらありませんが、もう一人のアメリカンドリームの体現者であるビルゲイツは企業経営の本質を良くわきまえているなと感じた事があります。
それは、今回のケースではなく確か1年以上前になると思いますが、アップル社の業績不振に対し、「アップル社の再起を期待する」と言う主旨の発言をしていたことです。(正確なコメントは記憶していません。)競争相手にエールを贈り、余裕とも言える発言に聞こえますが、彼にはそれなりの「隠された意図」があったと伝聞しています。それは、市場に競争原理が働いていることの重要性を本能的に理解しているということです。競争のない社会のマイナス面はソ連の崩壊で歴史的に証明されましたが、アップル社を仮想敵国としてとらえ、社内のベクトルをそれによって統一してきた彼なりの危機感が働いているように感じたのです。日本の多くの業界が「業界秩序を維持する」政府の大義名分の下に、ぬるま湯に浸かっていた事を考えると、自ら進んで「競争を好む」この姿勢は見習わなくてはいけません。競争心が働くと頭全体が戦闘状態となり思わぬ力を発揮することは、経営者であれば少なからず体験したことがあるものと思います。
しかし、ここでもう一つ見落としてはならないことがあると思います。それは、そういった戦略を立案する際のもう一つの軸は、「顧客」であるということです。このあまりにも単純で、あたりまえのことが忘れられ競争相手を出し抜こうとすることにのみ躍起になっている会社が多いことは残念に思うのです。必然的に、競争相手のみを意識する戦略は、価格競争や過剰なサービスを提供する結果となり、かえって収益性を犠牲にしているように思うのです。そこには、顧客に対する「新しい価値」を提供しようという意識が働かず、画期的な発想が湧いてこないのです。「顧客」「カスタマー」「コンシューマー」「ユーザー」表現はいろいろありますが、自社にとってお客様は誰で本当は何を求めているかをじっくりと観察することが、戦略立案の初めの第一歩だと思うのです。

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2003/09/17

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