税理士川端雅彦コラム

KAWABATA MASAHIKO COLUMN

役員報酬の給与所得控除額の損金不算入に、どう対応するか?

考えれば考えるほど、役員報酬の一部を損金不算入にする今回の税制改正は、筋の悪い増税策である。

新会社法による規制緩和の結果、簡単に会社が設立できるようになったため、節税を目的とする安易な会社設立を阻止しようとする意図であろう。

しかし、この役員報酬の損金不算入の制度は、既存の会社で、健全に経営を行っている同族会社のほとんどに増税の影響が出てしまうのである。

簡単に言うと、社長の役員報酬(給与)に対する給与所得控除分が、法人の課税所得に加算されてしまうのである。

例えば、社長の給料が2000万円とすると、給与所得控除が270万円あるが、これを法人の所得に加算することになる。

したがって、法人税等の税率を40%とすると、

270万円×40%=108万円 が増税となる。

儲かったわけでもないのに、余計に税金を取られるわけで、社長にとっては「怒り心頭!」であるが、怒ってばかりいられないので、何らかの対策を考えないといけない。

この役員報酬の一部損金不算入制度に該当するか、どうかは、同族関係者の持ち株割合役員の割合で判定されることになる。つまり

(1) 同族関係者が発行済株式の90%以上を所有し

かつ、

(2) 同族関係者の数が常務に従事する役員の総数の50%超である

場合に、この制度が適用される。

役員報酬の損金不算入制度の回避策は?

では、どのようにすれば、この増税を回避することができるかであるが、上記2つの要件のどちらかが、該当しないようにするのがオーソドックスなやり方になるだろう。

つまり、次の2つが考えられる。

(1)同族関係者以外に10%超の株を持ってもらう。

(2)同族関係者以外の役員で50%以上にする。


(1)については、?だれに持ってもらうか。?いくらで買ってもらうか。がポイントとなります。

?については、あまりうるさくない株主を選ぶ必要があります。

具体的には、 親しい友人、 6親等の血族、3親等の姻族以外の親戚、社員持ち株会、などが考えられるでしょう。

?のいくらで買ってもらうかですが、同族関係者以外に売却するので、配当還元価格を下回らなければ、さほど問題はないでしょう。

また、いくらで買い戻すかという問題については、後々のトラブルを防ぐため、買い戻し価格をあらかじめ、決定しておいたほうが、良いと思います。

次に(2)による回避策ですが、形式的に役員に名を連ねているだけの人は、除外して計算されるので、常務に従事する役員でないといけません。

したがって、営業部長を「取締役兼営業部長」にするなど、社内の従業員を役員に登用するのが、最も現実的かと思われます。

また、相互に役員陣の交流のある会社同士であれば、相互に役員を派遣しあうなどする方法がありますが、形式的にならないように注意する必要はあるでしょう。

もう一つの選択肢
いずれの方法も、困難な場合も数多くあると想定されます。株を持ってもらうにも適当な方がいない場合があるでしょう。

また、同族関係者以外の役員を無理やり増やしても、その方に役員としての役回りをしてもらえない場合に降格の問題がでてくるでしょう。

そのような場合には、甘んじて増税を受け入れるというのも一つの方法として考えられます。

悔しいですが・・・

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2006/04/04

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