「不撓不屈」−飯塚事件が映画化される
飯塚事件というと、我々税理士にとっては、衝撃的なものでした。といっても昭和38年当時のことであり、私がオギャー!と生まれたばかりのことですので、後で知ったことなんですが。
この事件は、税理士であり、TKC全国会創設者飯塚毅が当時、関与先へ指導していた節税方法につき、国税当局が否認を主張するが、最後は国税当局が敗訴するというものです。
これだけ見ると、最近よくある国税当局との係争案件に過ぎないと思われる節もありますが、敗訴するかもしれないと考えた国税当局と検察は、なりふり構わない「飯塚つぶし」に打って出ます。
例えば、飯塚事務所の関与先にいっせいに税務調査に入ったり、職員を逮捕したり、ほとんど嫌がらせに近い、脅しとも取れる行動をとりました。
最終的には、職員も無罪となり、飯塚毅も無実となるのですが、当時の税理士は、税務署が行う徴税機能の代行者であり、節税などを指導するのはもってのほか、という納税者の権利を省みない「お上意識」を垣間見ることができます。
自らの税理士としての身の危険に晒されながらも、国家権力に対して、敢然と立ち向かった飯塚先生は、尊敬に値します。
そして、この事件は、現在の我々職業会計人の地位と、納税者の権利が確立に大いに寄与したと評価できるのではないかと思います。
この「不撓不屈」という実話が映画がされ、6月17日より当社の3階にある京都シネマをふくめ、全国でロードショーされます。
是非、観に行こうと思ってます。
2006/05/10
- 雑感