贈与税の減税は景気浮揚の起爆剤になる!?
麻生首相が、以下のとおり贈与税を減税する可能性について示唆した。
-----以下、日経ネットより抜粋-------------------------------------------
麻生太郎首相は28日、高齢者から若い世代への資産の移転を促す効果があるとされる贈与税減税について「検討する値打ちがある」と表明した。住宅取得や自動車の購入などを条件とする考えで、数年間に限定して課税を免除する案にも言及した。31日に政府・与党に正式指示する追加経済対策の柱に据える考えだ。
贈与税は生前に無償で与えた財産にかける税で、財産を受け取った人が支払う。首相は同日、高知市内で講演し、贈与税減税についての基本的な考え方を明らかにした。首相は「家を建てるというなら贈与税をタダにする。2軒、3軒建ててもいい。もらった人に家を建ててもらうことによって景気が良くなる」と表明した。(29日 07:00)
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かねてから、贈与税を軽減すれば景気浮揚が図れると考えていたが、この減税は、あまり縛りをつけずに使い勝手を良くすれば、消費を活性化する起爆剤になるのではないかと思う。
ご承知のように、日本には1500兆円にものぼる金融資産があるが、これが消費に向かわない。
この1%でも消費に向かえば20兆円と言われる需給ギャップも、財政出動なしに簡単に埋まる。
しかし、なぜ消費に向かわないかと言うと、この1500兆円の金融資産を持っている人が高齢者ばかりで、彼らの消費意欲は非常に低いのである。
そればかりか、国を信用していないので、年金をもらっても3割を貯蓄に回しており、内閣府の分析によると60歳以上の高齢者の貯蓄額は、若・中年層世帯のほほ2倍の2424万円となっている。
最後には3500万円もの貯蓄をお墓まで持っていくそうである。
一方で、木下輝伸氏は「日本の論点2008 27人のすごい議論」(文藝春秋)の中で、40代の層の増加とニューヨークダウの上昇に相関関係がみられ、今後、日本においても今後団塊ジュニアが40代となって消費を押し上げ、その結果日本の株価も上昇するだろうと説明している。
確かに、自分の周りを見渡しても、教育、住宅、自動車など40代の消費意欲は旺盛である。
したがって、高齢者から、とりわけこの40代に金融資産の移転が起これば、乾いたスポンジに水が吸い込まれるように消費が拡大されるのではないだろうか。
ただ、要件を特定の消費に限るなど、あまり要件を厳しくせずに、ある程度自由度を持たせるなど「使い勝手」のよい時限立法にするほうが、資産移転が活発に進むだろう。
そして、相続税の基礎控除を1000万円ほど少なくするなど、相続税を高くすることを「合わせ技」で組み合わせれば「死んで相続税で持って行かれるより、生前にたくさん贈与しよう」というインセンティブが働いて、より効果的だと思う。
相続税の増税は、少々時流に逆行するかも知れないが、相続税収を気にする財務省も納得しやすいのではないだろか?
いずれにしてもこの3年間ぐらいの時限立法にすれば、期限が迫るにつれ焦ってくるので、3年内に金融資産大移転のカウントダウンが起こり、大消費ブームが起こる可能性がある。
財政出動を伴わない効果的な景気浮揚策であるので、自民党でも民主党でもどちらでもいいが「使い勝手」のよい税制改正にいち早く取り組んでもらえるよう期待したいものである。
-----以下、日経ネットより抜粋-------------------------------------------
麻生太郎首相は28日、高齢者から若い世代への資産の移転を促す効果があるとされる贈与税減税について「検討する値打ちがある」と表明した。住宅取得や自動車の購入などを条件とする考えで、数年間に限定して課税を免除する案にも言及した。31日に政府・与党に正式指示する追加経済対策の柱に据える考えだ。
贈与税は生前に無償で与えた財産にかける税で、財産を受け取った人が支払う。首相は同日、高知市内で講演し、贈与税減税についての基本的な考え方を明らかにした。首相は「家を建てるというなら贈与税をタダにする。2軒、3軒建ててもいい。もらった人に家を建ててもらうことによって景気が良くなる」と表明した。(29日 07:00)
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かねてから、贈与税を軽減すれば景気浮揚が図れると考えていたが、この減税は、あまり縛りをつけずに使い勝手を良くすれば、消費を活性化する起爆剤になるのではないかと思う。
ご承知のように、日本には1500兆円にものぼる金融資産があるが、これが消費に向かわない。
この1%でも消費に向かえば20兆円と言われる需給ギャップも、財政出動なしに簡単に埋まる。
しかし、なぜ消費に向かわないかと言うと、この1500兆円の金融資産を持っている人が高齢者ばかりで、彼らの消費意欲は非常に低いのである。
そればかりか、国を信用していないので、年金をもらっても3割を貯蓄に回しており、内閣府の分析によると60歳以上の高齢者の貯蓄額は、若・中年層世帯のほほ2倍の2424万円となっている。
最後には3500万円もの貯蓄をお墓まで持っていくそうである。
一方で、木下輝伸氏は「日本の論点2008 27人のすごい議論」(文藝春秋)の中で、40代の層の増加とニューヨークダウの上昇に相関関係がみられ、今後、日本においても今後団塊ジュニアが40代となって消費を押し上げ、その結果日本の株価も上昇するだろうと説明している。
確かに、自分の周りを見渡しても、教育、住宅、自動車など40代の消費意欲は旺盛である。
したがって、高齢者から、とりわけこの40代に金融資産の移転が起これば、乾いたスポンジに水が吸い込まれるように消費が拡大されるのではないだろうか。
ただ、要件を特定の消費に限るなど、あまり要件を厳しくせずに、ある程度自由度を持たせるなど「使い勝手」のよい時限立法にするほうが、資産移転が活発に進むだろう。
そして、相続税の基礎控除を1000万円ほど少なくするなど、相続税を高くすることを「合わせ技」で組み合わせれば「死んで相続税で持って行かれるより、生前にたくさん贈与しよう」というインセンティブが働いて、より効果的だと思う。
相続税の増税は、少々時流に逆行するかも知れないが、相続税収を気にする財務省も納得しやすいのではないだろか?
いずれにしてもこの3年間ぐらいの時限立法にすれば、期限が迫るにつれ焦ってくるので、3年内に金融資産大移転のカウントダウンが起こり、大消費ブームが起こる可能性がある。
財政出動を伴わない効果的な景気浮揚策であるので、自民党でも民主党でもどちらでもいいが「使い勝手」のよい税制改正にいち早く取り組んでもらえるよう期待したいものである。
2009/03/30
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