顧客単価が利益に対して最も重要なレバーである!?
今回は、利益に対して最も大きなインパクトがある「顧客単価」についてお話しましょう。
顧客単価が利益に対して最も影響する。
会社の利益に影響を与える変数は、客単価、コスト、販売数量の3つです。
そして、これを式で表すと次のようになります。
利益=(客単価−コスト)×販売数量
この3つの変数の中で、どれを改善すれば最も利益が増加するでしょうか?
結論から言うと、それぞれの改善の度合いが同じだとすると、客単価を上げることが最も大きく利益を増大させることになります。
以前のメルマガで、顧客単価のUPと販売数量の増大のどちらを優先するかというお話をしたことがありますが、もう一度復習してみましょう。
【ケーススタディ】
・売上単価(顧客単価) 500円
・仕入単価(変動費) 300円
・販売数量 20,000個
・固定費 3,000,000円
この会社の利益の額は次のように計算されます。
<利益の額>(500-300)×20,000−3,000,000=1,000,000円
これを売上単価、仕入単価、販売数量、そして固定費をそれぞれ 1%づつ改善した場合に、どれぐらい利益に対するインパクトがあるか計算してみましょう。
【改善による利益に対するインパクトの計算】
客単価改善 販売数量改善 仕入単価改善 固定費改善
-------------------------------------------------------------------
売上単価 505 500 500 500
仕入単価 300 300 297 300
販売数量 20,000 20,200 20,000 20000
固定費 3,000千円 3,000千円 3,000千円 2,970千円
-------------------------------------------------------------------
利益 1,100千円 1040千円 1,060千円 1,030千円
-------------------------------------------------------------------
インパクト 10% 4% 6% 3%
この計算結果からわかるように、売上の単価を改善することで、
実に10%もの営業利益に対するインパクト
があるわけです。
つまり、企業経営において「顧客単価が最も重要なレバーになる」わけです。
ところが実際には、売上高を稼ぐために、安易に値引きをしたり、いい加減な価格設定により、獲得できたであろう利益を大きく失っているケースが数多く見受けられます。
戦略なき値下げは「悪」であるという組織風土をつくる。
顧客単価をあげるための最大のポイントは、顧客単価を上げることが、何より重要であるという組織の風土をつくるということです。
売らんがために安易に『値引き』をしてしまうという習慣から脱皮する。
つまり、『戦略なき値下げは悪である』という意識を、組織全員に共有することが最も大事になります。
1%顧客単価を改善するだけで、10%もの利益が改善するわけです。
同時に、その逆もあるわけですから、そのことを徹底して認識させることが必要です。
■一物二価はあたりまえ!?
物の値段は、同じ商品やサービスであっても、お客さまが感じる価値によって変わります。
「そんなことはありえない!あってはいけない!!」という読者もいるかも知れませんが、この事例は私たちの周辺には、いくらでも転がっています。
たとえば、500ミリリットルのお茶のペットボトルを例に取ると、様々な値段が存在しています。
普通に屋外の自動販売機で買うと150円です。
しかし、カラオケボックスでお茶を飲む場合、レストランでお茶を飲む場合は、必ずしもペットボトルではありませんが、200円、300円など、150円より高い価格を支払っています。
さらに、遊園地や病院などの囲まれた空間でも、200円や300円することもあります。
ディスカウウントストアーに行くと、24本入りで一本あたりに換算すると100円ぐらいで販売しています。
これらの価格の違いはなぜ起こるのでしょうか?
今すぐ飲みたい!という切実なニーズがあり、ここでしか買えない!となると高い価格でも受けいれられることになります。
ところが、買うと消費するの間に時間があるほど価格は低くなります。
また、ボリュームが増えるほどディスカウントの要求は強くなります。
このように同じ商品であっても、買う人の置かれた購買・消費の場面、つまり『オケージョン』が異なれば違う価格が存在することになります。
お客さまの『オケージョン』によって「価格」は変わるのです。
このほか、同じ商品でも、売る『場』を変えることによって、高く売れることがあります。
例えば、高級なお漬物でもスーパーマーケットで500円で販売してもなかなか売れません。
しかし、これを、上手くパッケージングして中元や歳暮という『ギフト市場』で販売すると3,000円や5,000円の価格がつきます。
このように『場』を変えることにより、異なった価格を設定することもできるわけです。
戦略なきプライシングは「機会損失」を引き起こす。
戦略なき値下げは、企業価値を大きく損ねます。
しかし、それと同時に、戦略なきプライシングは得ることができた利益を、みすみす逃がしてしまうことになります。
つまり、戦略なきプライシングは、得られたであろう利益獲得の「機会損失」を引き起こしているわけです。
次回から、顧客単価を如何にして上げるか、プライシングをどのように考えればよいかについて解説したいと思います。
★☆★ 今回のPoint ★☆★
●顧客単価が利益に対して最も重要なレバーである!
●戦略なき値下げは「悪」であり、戦略なきプライシングは「機会損失」
を引き起こす。
顧客単価が利益に対して最も影響する。
会社の利益に影響を与える変数は、客単価、コスト、販売数量の3つです。
そして、これを式で表すと次のようになります。
利益=(客単価−コスト)×販売数量
この3つの変数の中で、どれを改善すれば最も利益が増加するでしょうか?
結論から言うと、それぞれの改善の度合いが同じだとすると、客単価を上げることが最も大きく利益を増大させることになります。
以前のメルマガで、顧客単価のUPと販売数量の増大のどちらを優先するかというお話をしたことがありますが、もう一度復習してみましょう。
【ケーススタディ】
・売上単価(顧客単価) 500円
・仕入単価(変動費) 300円
・販売数量 20,000個
・固定費 3,000,000円
この会社の利益の額は次のように計算されます。
<利益の額>(500-300)×20,000−3,000,000=1,000,000円
これを売上単価、仕入単価、販売数量、そして固定費をそれぞれ 1%づつ改善した場合に、どれぐらい利益に対するインパクトがあるか計算してみましょう。
【改善による利益に対するインパクトの計算】
客単価改善 販売数量改善 仕入単価改善 固定費改善
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売上単価 505 500 500 500
仕入単価 300 300 297 300
販売数量 20,000 20,200 20,000 20000
固定費 3,000千円 3,000千円 3,000千円 2,970千円
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利益 1,100千円 1040千円 1,060千円 1,030千円
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インパクト 10% 4% 6% 3%
この計算結果からわかるように、売上の単価を改善することで、
実に10%もの営業利益に対するインパクト
があるわけです。
つまり、企業経営において「顧客単価が最も重要なレバーになる」わけです。
ところが実際には、売上高を稼ぐために、安易に値引きをしたり、いい加減な価格設定により、獲得できたであろう利益を大きく失っているケースが数多く見受けられます。
戦略なき値下げは「悪」であるという組織風土をつくる。
顧客単価をあげるための最大のポイントは、顧客単価を上げることが、何より重要であるという組織の風土をつくるということです。
売らんがために安易に『値引き』をしてしまうという習慣から脱皮する。
つまり、『戦略なき値下げは悪である』という意識を、組織全員に共有することが最も大事になります。
1%顧客単価を改善するだけで、10%もの利益が改善するわけです。
同時に、その逆もあるわけですから、そのことを徹底して認識させることが必要です。
■一物二価はあたりまえ!?
物の値段は、同じ商品やサービスであっても、お客さまが感じる価値によって変わります。
「そんなことはありえない!あってはいけない!!」という読者もいるかも知れませんが、この事例は私たちの周辺には、いくらでも転がっています。
たとえば、500ミリリットルのお茶のペットボトルを例に取ると、様々な値段が存在しています。
普通に屋外の自動販売機で買うと150円です。
しかし、カラオケボックスでお茶を飲む場合、レストランでお茶を飲む場合は、必ずしもペットボトルではありませんが、200円、300円など、150円より高い価格を支払っています。
さらに、遊園地や病院などの囲まれた空間でも、200円や300円することもあります。
ディスカウウントストアーに行くと、24本入りで一本あたりに換算すると100円ぐらいで販売しています。
これらの価格の違いはなぜ起こるのでしょうか?
今すぐ飲みたい!という切実なニーズがあり、ここでしか買えない!となると高い価格でも受けいれられることになります。
ところが、買うと消費するの間に時間があるほど価格は低くなります。
また、ボリュームが増えるほどディスカウントの要求は強くなります。
このように同じ商品であっても、買う人の置かれた購買・消費の場面、つまり『オケージョン』が異なれば違う価格が存在することになります。
お客さまの『オケージョン』によって「価格」は変わるのです。
このほか、同じ商品でも、売る『場』を変えることによって、高く売れることがあります。
例えば、高級なお漬物でもスーパーマーケットで500円で販売してもなかなか売れません。
しかし、これを、上手くパッケージングして中元や歳暮という『ギフト市場』で販売すると3,000円や5,000円の価格がつきます。
このように『場』を変えることにより、異なった価格を設定することもできるわけです。
戦略なきプライシングは「機会損失」を引き起こす。
戦略なき値下げは、企業価値を大きく損ねます。
しかし、それと同時に、戦略なきプライシングは得ることができた利益を、みすみす逃がしてしまうことになります。
つまり、戦略なきプライシングは、得られたであろう利益獲得の「機会損失」を引き起こしているわけです。
次回から、顧客単価を如何にして上げるか、プライシングをどのように考えればよいかについて解説したいと思います。
★☆★ 今回のPoint ★☆★
●顧客単価が利益に対して最も重要なレバーである!
●戦略なき値下げは「悪」であり、戦略なきプライシングは「機会損失」
を引き起こす。
2009/07/15
- 雑感