税理士川端雅彦コラム

KAWABATA MASAHIKO COLUMN

オプションを準備して値下げ要求を回避する

サブプライムローン問題に端を発した実体経済に対する影響は、恐慌にも似た様相を呈しています。

今後、あらゆる業界において値下げの要求は大変きつくなってくると想定されます。

したがって、今回は値下げをいかに回避するかについて説明します。


前回、商品やサービスの価値は、顧客の置かれている『オケージョン』によって異なると説明しました。

だから、同じペットボトル500ミリリットルのお茶でも、今、ここで欲しいと切実なニーズがある場合と、買いだめして後で飲むからディスカウントストアーでまとめ買いする場合とでは『価格』が違うわけです。

この考え方を応用して、値下げ要求をされたら、提供する内容を変えて対応します。


例えば、次のようなオプションを提案します。

1.稼働率の低い時期に納期を変更してもらう。

2.付随商品や付随サービスを削減する。スペックを下げる。

3.注文のボリュームを増やしてもらう。

4.前払いや即金など回収条件を変更してもらう。

5.原材料支給にしてもらう。



最も好ましいのは「値下げに応じない」ことですが、そう言ってられない場合、実質的に値下げになっていない状況を作り出すわけです。

つまり、値引きによる『価格』が変更になったときは、提供する商品やサービスの価値を変更するようにするのです。

そうすることにより、タダでは値引きに応じてくれない、トレードオフを必ず要求されるという意識をもってもらえる事になります。


付け加えると、このようなオプションは事前に準備しておくとよいでしょう。

例えば「緊急の場合の割り増し条件」などのオプションをあらかじめ価格表に提示しておくのです。

これにより、お客さまから「割り増しでない納期でいい」というオファーを受けやすくなり、お客さまにとっても割安感を醸成することができるからです。

時間を軸に、価格の差をつけることにより、こちらの稼動を平準化できる方向へとお客さまを導くわけです。


■成功報酬を組みあわせる。

また、この他に成功報酬を組み合わせるという方法もあります。商品によっては、買った(試した)後でないと効果がわからないものもあるからです。

節電設備や節水設備などは、新しい設備の導入で、今まで払っていたコストからいくら下がったかによって、成功報酬をもらうケースがあります。

また、我々の業界でも、節税額に応じて成功報酬を頂戴する契約をするケースもあります。



■価格によって価値を変える。
このように、お客さまが感じる『価値』は一定であるものとして値引き交渉に臨むのではなく

  『価格によって価値を変える』

という視点で、商品やサービスの提供内容を変えるという発想をもつことが大事です。

それにより、安易な値引き交渉にピリオドを打つことができます。

加えて、同じ商品に違う価格を設定する積極的な『バリュー・プライシング』という技も身につけることができます。

この点については、次回以降にお話したいと思います。


★☆★  今回のPoint  ★☆★

  ●オプションを準備して値下げ要求を回避する。
  
  ●価格によって価値を変える。



京都・大阪の税理士ならアイネックス税理士法人

2009/08/03

  • 雑感

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