税理士川端雅彦コラム

KAWABATA MASAHIKO COLUMN

イニシャル・コストを下げて売りやすくする!

■イニシャル・コストとランニング・コスト

イニシャル・コストとは、商品やサービスを購入・取得するときにかかる初期投資のことをいいます。

ランニング・コストとは、商品やサービスを利用し続けることにより発生するコストです。

例えば、自動車を購入するときにかかる金額を「イニシャル・コスト」といい自動車を利用することにより発生するガソリン代や、自動車保険料、などを「ランニング・コスト」と言います。

このイニシャル・コストとランニング・コストをうまくバランスさせたプライシングを行うことにより販売を促進する方法があります。


一般的な理解として押さえておきたいのが、消費者の行動をみると、イニシャル・コストに比べランニング・コストに対する「感度」が低くなります。





それとは反対に、企業の場合は、高いランニングコストを固定費として抱え込むことを嫌うため、イニシャル・コストよりもランニング・コストが低いことを重視する傾向があります。

■ジレットにみる「レーザー・ブレード商法」

古典的な名称がついている「レーザー・ブレード商法」というものがあります。

これは、ジレットなどの剃刃メーカーが、本体は多少損をしてでも安く売り、その後の替え刃という「消耗品」で確実に儲けるというやり方です。

コピー機を廉価で販売し、その後の用紙やトナー代で儲ける方法も同じタイプです。

任天堂に代表される家庭用コンピューター・ゲームでも、最初に購入するハードを安くして、その後、必要となるソフトを高めにプライシングして、そこで十分に儲けるという方法もこれに当たります。


リゾート会員権など、最初に利用する権利を購入する対価を高く設定し、後々の利用料を低く抑えることにより購入を促す方法は、この逆に当たります。

ゴルフ会員権などもこれにあたります。


また、車のリースなどは、その両方を組み合わせた好例です。

例えば、500万円の車を3年リースにすると15万円近くになります。

ところが、これを3年後にリースアップした車を、例えば200万円で利用者が買う、または再リースすることを条件にリース料を設定すると

500−200=300万円

の金額に対しリースを組むことになるので9万円弱のリース料になります。

つまり、リースと残価設定(何年後にいくらで売れるかという見積り)を組み合わせイニシャル・コストをゼロにし、ランニング・コストまで下げ、販売しやすくしている好例です。


■売りっぱなしではない仕組みをつくる

このようにしてみると、売りっぱなしではなく、売った後の二次マーケットを組み合わせることが重要になります。

つまり、消耗品の販売やメンテナンスなど、売った後の関わりを持つことがイニシャルとランニング・コストのどちらで収益を上げるかという機会を作ってくれることになります。

同時に、メンテナンスという二次マーケットを組み合わせれば、常に顧客接点を持つことができます。

同様にリースなどを組み合わせると、リースアップ時に顧客接点を持つことができるため、次の販売機会を捉えることができます。

自社の商品・サービスに、二次マーケットを組み合わせることにより、顧客との長期的関係をつくることができ、同時にイニシャル・コストとランニング・コストの関係から利益を最大にする機会が作れることになります。


★☆★  今回のPoint  ★☆★

  ●イニシャル・コストを下げ、ランニング・コストで利益を出す。

  ●売りっぱなしでない二次マーケットを作ると利益を出す機会が多くなる。
  

京都・大阪の税理士ならアイネックス税理士法人

2009/09/18

  • 雑感

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