税理士・会計士の仕事はAIに取って代わられるのか!?
少し前にもブログで書きましたが、我々の業界(税理士・会計士)が「機械や人工知能に取って代わられる職業仕事」の上位2位にランキングされています。
特に、領収書から記帳する、いわゆる記帳代行は、取って代わられることになるでしょうし、監査法人の監査の一部も、その影響は免れられないと思います。
しかし、ここで考えなければいけないのは、それがダメなことなのかというと、むしろ歓迎すべきことだと思うのです。
例えば、歩行という移動手段が、車に取って代わられたことを悔やむ人はいないでしょうし、移動が速くなって利便性が高まったことは世の中にとっては、良いことだと思うんです。
また、機械化によって、人間の手によって作られていた製品を、同じ品質と低コストで生産できるようになるということは、大きな目でみると消費者のためになっていると思うのです。
問題は、こういう技術革新や、イノベーションによって、雇用が奪われてしまうということです。しかし、これは不可逆的な流れで避けることはできませんし、むしろこういう技術をどんどん取り入れることにより、空いた時間を活用して違う仕事に時間を使う方が、はるかに生産的で、創造的なことだと思います。
例えば、洗濯機ができて、女性がその重労働から解放され、社会に進出する契機になったことは喜ぶべきことなのです。
では、どういう仕事が残り、どういう仕事を我々が手掛けなければならないのかということですが、機械やAIに丸ごと取って代わられる仕事ってほとんどないように思います。
洗濯機ができたからといって、洗濯そのものがなくなったわけではありません。
大規模に洗濯機を導入することで、他の人の選択を請け負うクリーニング業が、出現したわけです。
要するに、そういう機械やAIを使って、新たなビジネスや仕事を作るという仕事は、今後も残り続けるわけです。
私たち税理士業界も同じことが言えます。例えば記帳代行の結果は、決して税務申告のためにだけあるのでなく、アウトプットとしての試算表から「経営判断」をするためにあるわけです。あるいは、前年度データから、次の3年のビジョンを描くという「意思」をともなう仕事は、取って代わられることはありません。
このように考えると、我々が経営者の意思決定に助言を与えるための、問題解決力やリーダーシップ力を磨くというチャレンジが、目の前に待ち受けているわけで、大いにやりがいのある機会を提供してくれていると考える方が、はるかに生産的で楽しいことだと思います。
そういう人と共に仕事を創り出していきたいと思っています。
アイネックス税理士法人
代表社員 川端 雅彦
2017/06/12
- 雑感