すべてはユーモアが解決する!?
オバマ大統領は2011年の一般教書演説において、政府の効率性を向上させるべき分野として、次の例を挙げました。
「サケが淡水にいるときは内務省の管轄です。しかし、サケが海水にいるときは商務省の管轄になります。」
ここで、一呼吸。
「問題がややこしくなるのは、スモークされたときです。」会場は爆笑に包まれた。(ユーモアは最強の武器であるから引用)
そして、その後のナショナル・パブリック・ラジオによるリスナー調査の「一般教書演説でもっとも印象に残った言葉を3つ挙げてください」という質問に対し、最も回答数の多かった言葉は、ここで紹介されたものだったそうです。
ここで言われていることは、話にユーモアを交えることにより、相手の記憶に残りやすくなる効果があるということです。
大人になればなるほど、とりわけ仕事の場面では、眉間にしわを寄せながら真面目に会話しなくてはならないという思い込みから「笑い」が職場から消え去ってしまう傾向があります。
それを証明するかのように「人々が一日に笑う/微笑む回数は、23歳ごろから急激に減り始める」ことが明らかになっています。(ギャラップ調査)
ところが、このユーモア(笑い)は、先ほどの「相手の記憶に残りやすくなる」だけでなく、様々な効用があります。
例えば、コメディー番組を一緒に見て、一緒に笑った人たちは、そうでない人達よりも30%も親しげに見えるそうです。
つまり、一緒に笑うと相手に対して腹を割ったり、弱みを見せたりしやすくなる傾向があるのです。
したがって、そういう意味で、笑いが起こる飲み会や懇親会を催すことは、大切なことで、「一緒に笑った」ことを思い出すことができる人たちの人間関係は、そうでない人たちより長く続くそうです。
そのほかにも例えば、さまざまなアイデアや創造的な解決策を模索する会議において、強面で「いいアイデアを出してください!」といっても、ほとんど良いアイデアがでてくることはないでしょう。つまり、創造力の最大の敵は恐怖なのです。そして、その恐怖を取り除くためには、ユーモアが最も効果的なツールになります。
陽気さとユーモアで恐怖から解き放たれたなら、その場には、何を言っても叱責されることはないという「心理的安全性」が生まれ、皆が自由に考え、オープンで大胆な議論が巻き起こります。
実際、アップル社のCDSのトップを務めた浅井弘樹氏は「陽気さの文化は従業員にとって安全な場を生み出すのです。安心感があって、リーダーが恐怖ではなく陽気さでみんなを導いていると感じると、思い切って挑戦する意欲が湧いてきます。バカにされる、仲間外れにされるといった心配をせずにいろんなことを試してみたくなる。イノベーションに対して積極的になる」と語っています。
さらに、笑うと血流が増え、筋肉の緊張が緩むだけでなく、心疾患にかかわる動脈硬化が緩和されるなど、生理学的な効果も確認されています。
ノルウェーの科学技術大学の調査によると、ユーモアのセンスが豊かな人びとは、男女とも持病があったり感染症にかかったりしても長生きすることが明らかになっています。
ゼレンスキー氏が、お笑いコメディアンからウクライナの大統領になり、ここまで国民を統率できているのも、ひょっとすると、そのユーモアのセンスが響いたのかも知れません。
ユーモア、そして、ユーモアが巻き起こす笑いで、組織の人たちを陽気に、前向きにすることは企業の問題解決に欠かせないものだと思います。
ここまでの文章に「全然ユーモアないじゃないか!」とお叱りを受けそうなので、このあたりで終わりにします。
ほな、さいなら~!!
令和5年4月
アイネックス税理士法人
代表 川端雅彦
2023/04/04
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