税理士川端雅彦コラム

KAWABATA MASAHIKO COLUMN

働きがいと企業収益

パナソニックホールディングの自動車部品を手掛ける子会社であるパナソニックオートモティブシステムズ(PAS)は、従業員6000人のエンゲージメント(働きがい)が改善すると、執行役員の年間賞与が増える仕組みを導入すると発表しました。(7月4日日経新聞)

目的は、経営幹部に「従業員の働きがい」を向上させることを意識してもらうことですが、ここで、確認しておかなければならないことは「働きがい」が増加することと企業収益の関係性です。

まず、働きがいと生産性は明確に相関関係にあります。(参照:やる気溢れる社員の生産性は2倍

同時に働きがいが高い企業ほど、増収率が高くなる相関関係が確認されています。


したがって、今回のPASの取り組みは、働きがいの向上をはかり、収益を高めることを意図していると読み取ることができます。

ところで現在、日本では「働き方改革」真っただ中であります。働き方改革とは、労働条件、労働環境を整えて、働きやすい環境へと整備することを言いますが、これらを整備したとしても「働きがい」を向上させるためには十分ではありません。

参照:厚生労働省「職場の働きやすさ・働きがいに関するアンケート調査」(平成25年)より


上記の表から言えることは、「働きがい」とは「環境や条件といった外発的に生まれるものではなく、仕事そのものから内発的に生まれる」ものであり、そこには、「この仕事、おもしろいな。やってみたいな!」という自発的、自律的な内発的動機が不可欠であるということです。

つまり、明確な経営方針があり、それらを実現するための「目標と計画、そして行動」を従業員自らが、提案制度などを通じて主体的に関わっていく。そのプロセスを通じて成長し「仕事に価値を見出せる」ということがあって初めて「働きがい」が醸成されていくことになります。

従業員を幸せにしようと思っているにも関わらず、収益性が向上しないとすれば、心底幸せにしようと思えていないか、経営方針が明確でない可能性があります。

また、正しい経営方針を打ち出せていたとしても、収益性が向上していないとすれば「働きがい」が欠落している「笛吹けど踊らず」という状態であるのかも知れません。

収益が年々向上・改善している会社になるために、私どもも、どこよりも働きがいのある会社になるぞ!と密かに決意しています。

令和4年7月4日

アイネックス税理士法人

代表税理士 川端雅彦

京都・大阪の税理士ならアイネックス税理士法人

2022/07/05

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