税理士川端雅彦コラム

KAWABATA MASAHIKO COLUMN

値決めは経営

日本銀行が公表する「企業物価指数」の2月度速報によると、前年比9.3%上昇し、1980年以来の歴史的な高い上昇率となっています。

これは、ロシア制裁による原油などの国際商品価格の上昇に加え、円安による輸入物価の押し上げが要因となっています。


企業物価の上昇は、企業収益を圧迫する要因となります。

したがって、売り上げの拡大、原価・固定費の削減などに真剣に取り組む必要があります。


ところで、これらに取り組む際に、最も注力すべきことは何かについて考えてみます。

企業経営における利益の方程式は以下のとおりです。

利益=(販売数量×単価)-変動費-固定費

つまり、利益に影響を及ぼす変数は4つあるわけです。

これらの4つの変数のうち、どれを改善するのが、利益に最も寄与するのかを次の企業を例にとって感度分析してみましょう。

*変動費とは売り上げに応じて変動する経費のことを言います。


小売業A社(現状)

販売数量10000個、販売単価1000円 仕入単価(変動費)700円、固定費2,000,000円

この会社の現状の損益は次のようになります。(感度分析のため、変動損益計算書にて表記しています。)


*限界利益とは、売上高から変動費(この場合、仕入高)を引いた額のことを言います。


次に販売単価を3%値上げした場合、販売数量を3%伸ばした場合、仕入単価を3%引下げた場合、固定費を3%削減した場合を一覧にすると以下のようになります。

この感度分析からわかることは、それぞれ4つの変数(販売単価、販売数量、仕入単価、固定費)を3%改善する努力が同じだとした場合、販売単価を改善することが、最も利益に対する改善度合いが大きくなり、次いで仕入単価の改善となることがわかります。

良く見受けられる事例として、販売数量を伸ばすために値下げすることがあります。

例えば、このA社の場合ですと、値下げを3%すると30%の利益がふっ飛んでしまうわけですから、販売数量を10%ぐらい伸ばさないと、元が取れないこととなってしまいます。

販売単価を改善することは、一筋縄ではいかないだろうと思います。

しかしながら、単純値上げだけでなく、機能を付加してそのコスト以上に単価を引き上げる、クロスセリングするなど、様々な方法を試みることは、高収益企業へ脱皮するために、必要不可欠な活動であるということがご理解いただけると思います。

物価上昇による不況に突入するかもしれない場面において、「値決めは経営」という格言を今一度、再確認するときであろうと思います。



令和4年4月

アイネックス税理士法人

代表社員 川端雅彦

2022/04/01

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