サンフランシスコ&シリコンバレー ツアー
確定申告が明けた3月の19日から、日本M&Aセンター主催の、サンフランシスコ&シリコンバレー ツアーに行ってきました。
本当は18日出発だったのですが、社員の結婚式と重なり、一日遅れの出発となったので、現地サンフランシスコに到着すると、すでに講演も午後の部となっておりました。
講演者は前エバーノートジャパン会長の外山仁氏で「AI時代のこれからの働き方」ってテーマでしたが、300人を超える税理士・公認会計士が聞き入っている異様な雰囲気でありました。
2日目は、朝からシリコンバレーに移動したけですが、face book、Apple、そしてGoogleというIoTの世界で、覇権争いをしている錚々たる会社が、それこそご近所に存在しているわけです。
舞い上がってしまった私は、アップル本社に立ち寄り、ここにしか売ってないと言われた「Apple Pen」を買ってしまいました。
また、道中、バスの中で気付いたのですが、走っている車はほとんどが日本車でした。
その合間を大きなテスラが走っているという感じでしたが、そのテスラもシリコンバレーに存在するわけで、それ以外にも自動車配車サービスのウーバー、民泊支援のエアビーアンドビーのほか、オラクルインテル、シスコシステムなどのかつての巨人も健在なエリアなわけです。
いったい、このシリコンバレーのイノベーティブさは、どこから湧き上がってくるのだろうかと思った次第です。
お昼休みに、キングクリムゾンのレコードジャケットぐらい大きな口を開けないと食べられない大味でお世辞にもおいしいと言えないサンドイッチで腹ごしらえをした後、スタンフォードシリコンバレーNew Japan Projectの櫛田健児氏による講演がありました。
講演の内容は、いかにシリコンバレー発の企業群がIT技術を駆使して新たな市場を創造し、既存の業界を破壊していったのかについてでした。
(詳しくは同氏の著書「シリコンバレー発 アルゴリズム革命の衝撃」をお読みいただくとよくわかります。)
ホテルに帰ってから、予約していたレストランに行くのに、折角だからものは試しと「ウーバー」を手配してみました。
ご承知のとおり、ウーバーは日本では、タクシー業界の反対もあり、一部の地域でしか走っていません。
このウーバーは簡単に言うと、IoTを駆使して、白タクとユーザーをマッチングさせるサービスと言えるわけですが、乗車してみて感じたことは、このサービスは「破壊的」である、ということでした。
日本に上陸すれば、間違いなく既存のタクシー業界は壊滅的な打撃を受けることになると思います。
そのウーバーの特徴を、ざっくりあげると次のようになります。
1、既存のタクシーより安く、オーダー時に行き先を登録すると、おおよその金額が表示される。(だから安心)
2、すぐに来る。少々の田舎でも台数が多いのでそれほど待ち時間はない。(もちろん、地域差はあるだろうが。)
3、乗車するとGoogle Mapの指示通り運転するので、外国でよくあるボッタくりの心配がない。
(最短のルートを選択する。)
4、清算は、事前に登録したクレジットカードによる決済ですむ。チップも含まれているので
気を使う事もなく「Thank you」と伝えて降車するだけで良い。
5、領収書は即座にメールで送られてくる。また、割り勘するときの記録にもなる。
6、送られてくるメールに、運転手を1から5段階で評価するようになっている。
したがって、運転手のマナーも良い。(私の乗車した運転手は、ミネラルウォーターをタダでくれた。)
つまり、早くて安くて、マナーも良いという3拍子がそろったサービスとなっており、既存のタクシー業界は、とても太刀打ちできないと思います。対抗するために値段を下げたとしても、固定費をまかないきれないでしょう。
しかし、このサービスもよく観察すると、Google Map、GPS、車と運転手の3つの組み合わせたイノベーションであり、シュンペーターの言うニューコンビネーションなんですよね。
そうやって考えると、なんだかできそうな気もするのですが、発想のスケールの大きさとスピード、その大きさとスピードゆえに可能となる資金調達とエンジェルの存在。
そして、そういったスピリッツを持つ人たちの相互研磨が生じる、こんなすごいエコシステムがあるからこそ、こんなイノベーティブな企業が次から次へと勃興するのだと思いました。
ちなみに、翌日ゴルフが終わって、これまた、ウーバーを呼んで「オーパスワン」のワイナリーに行って、ほどよく酔っぱらったのも、爽やかな思い出となりました。
アイネックス税理士法人
代表社員 川端雅彦
2017/04/07
- 雑感