激動の1年を振り返って
2020年はコロナに振り回された激動の一年でした。中国武漢で新型ウィルス感染症が確認されたころは、対岸の火事のように眺めていましたが、あっと言う間に、日本でも急速に感染が拡大し、4月には緊急事態宣言が発令されるまでになりました。
どの業界においても、急ピッチで非接触型のオペレーション、ビジネスモデルへの変換を余儀なくされました。10年、いや20年ぐらいかけて起こるだろう変化が、この1年で起こったと思います。
この変化を脅威ではなく、機会であると捉え、機敏に変化することができる企業のみが生き残ることができるという過酷な経営環境に突然突入したわけです。
まさに「脱皮できない蛇は死ぬ」ような経営環境へと。
一方で、この変化によって、新たな発見もたくさんありました。
例えば、新幹線や飛行機などの交通機関の競争相手は、同様の移動手段を提供する同業他社だけでなく、Zoomなどの遠隔会議システムであったという現実です。
打合せするという目的から発想すると、移動がその目的を果たす前提条件にはならないわけで、シンプルに目的を達成することができるシステムに取って変わられてしまったわけです。
他には、医療という現場においても、不要不急であった医療行為が見直され、例えば「小児科」を標榜している病院、クリニックが大幅な減収を余儀なくされています。いいか悪いかは別として、少々の熱が出たぐらいでお医者さんに駆けつけず、自宅で療養しておこうという親御さんが増えたことが一因となっているわけです。
ハンコという慣習も過去の遺産となっていくでしょう。例えば、外国人と結婚すると、その外国人は婚姻届けに押印は要らなかったという事実からも、そもそも何のための押印なのか、という認識が、あらゆる手続きに急速に広まるだろうと思われます。行政のデジタル化もそれらを後押しすることになるでしょう。
これらの変化は、先進国中最低と言われる日本の労働生産性を引き上げる起爆剤になる可能性がある大変意味のあることだと思います。
もちろん、労働時間が短縮されたとしても、付加価値の源泉である「売上」が減少していては生産性は上がらないわけで、売り上げを増加させる新たなチャレンジはMUSTな取り組みであります。
いずれコロナに対するワクチンや治療薬が開発され普及することになるでしょうが、この流れは止めてはいけないと思います。
コロナ禍において、過剰で不要不急な経済活動が見直されました。その結果、二酸化炭素を大量に排出する石油の消費量も激減しました。このようなことに思いを馳せると、今までのような経済活動を続けていると、地球は持たないという自然の摂理が、コロナウィルスの発生を引き起こしたのではないかとすら思います。
つまり、地球は我々人類のためだけのものではない、という警笛が発せられたのかも知れないということを気づかされました。
われわれアイネックスグループも、世の中の役に立つ、環境にやさしい企業へと脱皮するキッカケとなる2020年であったと位置づけようと思います。
今年もお世話になりました。2021年は、上手く行けば「東京オリンピック」も開催されます。その時に素直に歓喜できるように、取り組んで参る所存です。
来年も引き続き、よろしくお願いします!
令和2年12月
アイネックス税理士法人
代表 川端雅彦
2020/12/23
- 雑感