『東京大田区・弁当屋のすごい経営』
東京都、大田区にある「玉子屋」というお弁当屋さん。
販売されている商品は、たった1種類の日替わり弁当のみです。
いわゆる中小企業でありながら、10年間で3倍超に業績を上げ、先代社長から現在の社長への事業承継も成功させた秘訣は何なのでしょうか。
本日は、「玉子屋」の2代目社長である、菅原 勇一郎 氏の『東京大田区・弁当屋のすごい経営』という本をご紹介いたします。
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【著者】菅原 勇一郎 【発行所】株式会社 扶桑社 【初版第1刷】2018年12月1日 |
私が関心を持った内容は、営業のスタイルと事業承継のポイントです。
①営業のスタイル
(1)1日最大7万食のお弁当を、昼の12時までにお届け!
注文の受付は、毎朝9時からされています。
でも、配達車は、朝8時から出発します。
受注を待たず、「見込み数」を積み込んで出発することで、大量のお弁当を届けることが可能になります。
(2)日替わり弁当1種類で勝負!
1種類に絞ることで、大量に仕入ることが可能となり、仕入原価を下げることが出来ます。
また、作業効率も良くなります。
(3)営業部隊なし!
「玉子屋」さんは、配達する人、ネット・ファックスで注文を受ける人、作る人の3部隊で構成されています。
あえて営業部隊を持たず、配達の人が届ける際に、翌日の発注情報や近隣の新店情報を得てこられるそうです。
②事業承継のポイント
(1)先代が若いうちに引き継ぐこと!
なぜならば、もし、新社長がミスをしてしまっても、先代が若ければそのミスをフォローできるからです。
なお、「玉子屋」さんは、先代社長が57歳のときに事業承継されました。
(2)先代が健康であること!
これは、(1)と同様の理由です。
さらに付け加えるならば、元気なうちでなければ、先代の社長の人脈を生かすことが出来ません。
元気なうちにバトンタッチすることで、後継者と一緒に挨拶回りをして、人脈を引き継ぐことが可能です。
(3)一切、口を挟まないこと!
先代の社長は、新社長から尋ねられない限り、方針転換しても、何もおっしゃられませんでした。
なぜならば、“俺(先代の社長)がゼロからつくった会社だ。血のつながったお前(新社長)が潰しても全然構わない。気にしないで好きにやれ”というお考えだったからです。
この言葉によって、新社長は“潰してはいけない”というプレッシャーが消えたそうです。
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昨今の日本では、人口の減少や少子高齢者問題が、中小企業・小規模事業者の方にとって、会社を存続させる課題となっています。
事業承継の負担を軽減する措置法も創設されていますが、そもそも後継者が見つからず、廃業されるケースも多くあるのが実情です。
アイネックス税理士法人では、事業承継やM&Aの支援を行っております。
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アイネックス税理士法人
2019/09/04
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