『元法制局キャリアが教える法律を読む技術・学ぶ技術 [改訂第3版] 』
本日ご紹介させていただく本は、『元法制局キャリアが教える法律を読む技術・学ぶ技術 [改訂第3版] 』です。
社会保険労務士として仕事をしている上で、普段から法律の条文を目にすることがあります。
しかし、個々の事例がどこまで条文に当てはまるのか、判断に困ることが日常的に起こります。
そこで、法律への理解を深めるきっかけになればと思い、こちらの本を選びました。
【著者】吉田 利宏 【発行所】ダイヤモンド社 【第1版第1刷】2004年6月17日 【改訂第3版第6刷】2019年4月8日 |
今回は、本書の中でも第5章の「裁判の仕組みや判例のことを知ろう」についてご紹介させていただきます。
判例というのは、過去の裁判例のことです。
有罪無罪等の結果ばかりに目がいきがちですが、重要なのは裁判所が法律問題にどう判断を下したか、という部分であり、その判断が積み重ねられていくことによりその法律への解釈として定着していきます。
そのため、法律を学ぶ上では判例を読むことは重要な役割を果たします。
【 判例の読み方のポイント(抜粋)】
◎気になる事件に出会ったら一審、二審、最高裁と実際の判決文をみる!
⇒普段は市販の判例集で十分なのですが、下級審から追っていくことで、どんな事件であったのか、お互いがどのような主張をしてきたのかを、よりリアルに感じることができます。
◎少数意見にも注目する!
⇒裁判官がたくさんいると意見が分かれることもあり、このような時には多数決で決めることになっています。
最高裁の裁判書には各裁判官の意見を表示しなければならないため、法定意見とは異なる少数意見も記載されています。(国民審査のため)
その少数意見が、その後の同じような事件を扱った際には法定意見として取り入れられる、ということもあるそうです。
【私見】
私の中でも判例は重要な位置づけであると考えており、そのようなニュースには目を通すようにしていました。
しかし、一審から追いかけたり、判決文を全文読んだりしたことはありませんでしたので、今後はより掘り下げて判例に注目していきたいと感じました。
アイネックス社会保険労務士法人
瀬尾 真未
2019/08/14
- 読書発表・本紹介