『迷路の外には何がある?』
本日ご紹介させて頂く本は、先日ご紹介した『チーズはどこへ消えた?』のその後の物語である『迷路の外には何がある?』です。
|
【著者】スペンサー・ジョンソン 【訳者】門田 美鈴 【発行所】株式会社 扶桑社 【初版第1刷】2019年2月27日 |
前作では迷路の中で2匹のネズミと2人の小人がチーズを探す物語でした。
チーズは探せば見つかりましたが、食べてしまうと無くなってしまいます。そしてある日、いつもチーズがあった場所からチーズが完全に消えてしまいました。
チーズが消えたあと、2匹のネズミと1人の小人は新たなチーズを探しに行きましたが、もう1人の小人(ヘム)は探しに行きませんでした。
チーズを探しに行くことをせず、迷路に留まったヘムがその後どうなったのか、本作では描かれています。
【物語の概要】
残されたヘムは、「ここにいれば、いずれまたチーズが現れるだろう」、「もう1人の小人もそのうち帰ってくるだろう」と楽観的に考えていました。
でも、チーズが現れることも、もう1人の小人が帰ってくることもありません。
ヘムは次第に、「なぜもう一人の小人は帰ってこないんだ。」、「僕のことを忘れたのか?友達なのに裏切ったのか!」と憤りを覚えるようになりました。
あまりにも苛々し、疲れ果てたので、イスに腰を掛けて休んでいると、今度は「もしかしたら、迷子になっているのではないか。ケガでもして動けないのではないか。」と不安に襲われます。
「僕が一緒に行っていれば、彼が道に迷うことも、ケガをすることも無かっただろうに…」と思い始め、「なぜ彼のようにチーズと共に動かなかったのか。」、「なぜ一緒に行かなかったのか。」とヘムは自問自答します。
それと同時に、ヘムは空腹に耐えきれなくなりました。
そして、ついにチーズを探す旅に出ることに!
迷路の中は危険で、暗くなっている場所や袋小路もあります。
でも、チーズを見つけなければ死んでしまうので、何とかしなければいけないとヘムは自分に言い聞かせました。
迷い疲れて眠り、目覚めたある日、足元に転がっている赤い石ころのようなものにヘムは気付きます。
その赤い塊からは、良い匂いがしていて、かじってみたくなりましたが、「これはチーズではない!」と思いとどまります。
ふと、辺りを見渡すと、見知らぬ小人が座っていました。
新たに出会った小人は、ヘムに赤い塊を食べるように促しますが、ヘムは「チーズではない」と食べることを一度は拒みました。
しかしながら、空腹にはどうしても勝てません。意を決してヘムが赤い塊を食べてみると、ジューシーで甘酸っぱく、美味しいものでした。
赤い塊は、リンゴと呼ばれているものだと教えてもらいます。
この出来事がきっかけで、ヘムは考え方を変えて生きていくようになりました。
【この物語が伝えたいこと】
仕事や人生において度々訪れるであろう変化の岐路に立たされた時、
自分自身が変わらなければならないと気付いていても、
環境の変化になかなか対応できない人に対して、
具体的に何から始めれば良いのかという道しるべを伝えてくれています。
変化するためには“信念”に気づくことが大切です。
ここで書かれている信念とは、自分が真実だと信じる考えのことだそうです。
自分の足を引っ張る信念もあれば、自分を向上させる信念もあるのです。
自分を信じることに限界はなく、未来と自分は変えることが可能ということが書かれていました。
この物語に通ずる考え方が、弊社にもあります。
【アイネックスの行動指針より】
「能動的に楽しむこと」 疲れた時や苦しい時に、辛いと感じるか、楽しいと感じるかはだれかに強制されるものではありません。 感情ですら、自分自身が選択できるものです。 どうせやるなら、楽しんで仕事をした方が、生産的でいい結果がでるものです。 |
困難に直面したとき、諦めるのではなく、どうすれば良いのかを考え、
また、その困難ですらマイナスのものではなく、自分を成長させてくれるものであるとプラスに考える。
そのように過ごせるよう、心掛けたいと思います。
アイネックス税理士法人
矢嶋 裕栄
2019/07/12
- 読書発表・本紹介