『「聞く力」こそが最強の武器である』
私は、主に相続税の申告を担当しているため、申告までの数か月間にお会いできる機会は多くありませんし、時間も限られています。
その少ない機会・お客様と面談する短い時間で、どれだけ情報を得られるのかが重要だと思い、『「聞く力」こそが最強の武器である』という本を読んでみましたので、ご紹介させていただきたいと思います。
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【著者】國武 大紀 【発行所】フォレスト出版 株式会社 【初版発行】2019年1月8日 |
こちらの本では、コミュニケーションにおいて最強の力となるのは「聞く方」であると書かれています。
何かを聞く時、一方的に質問を投げかけるのではなく、傾聴することが大切であると紹介されていました。
傾聴とは、注意深く、丁寧に耳を傾けることをいいます。
このとき重要なことは、自分の意見をあまり差し挟まないようにすること。
そして、聞くことに集中することです。
(どうしても差し挟むときは一言添えてから。)
では、傾聴する際に大切なポイントとは何か。本書を読んで、私の印象に残った点をいくつか挙げさせていただきます。
まず、話して下さる方に心地よくなってもらう聞き方として、相手の方に共感し、「うなずくこと」、「相槌をうつこと」が重要です。
「うなずき」と「相槌」は、効果的な聞き方であり、そうすることで、言葉ではなく感情を共有することができます。
次に、相手の方と信頼関係を築くことが重要です。
信頼関係を築くためには、①自己理解、②相手理解、③相互理解をする必要があります。
自己理解とは、自分の価値観を知ること。相手理解とは、相手の価値観を知ること。そして、双方の価値観を大切にすることで相互理解が成り立ちます。
最後に、相手が聞いてほしいと思っている話を引き出すことが重要です。なぜなら、人間にはマズローの欲求5段階説でいう、”承認欲求”があり、聞いてほしい話を聞いてもらえれば、承認欲求が満たされるからです。
【マズローの欲求5段階説】
著者の方は、話を引き出すノウハウとして、「YESの法則」というものを使われています。
①You
…相手に意識を向ける
②Excellent
…直訳すると”素晴らしい”という意味になりますが、相手の存在そのものをありのまま受け入れるという「聞く姿勢」
③Space
…気持ちよく話せる場づくり
この他にも、「聞く力」というスキルを上げるための方法がいくつも紹介されていました。
本書に書かれていることを参考にして、少しずつでも信頼して話していただける存在になれるよう、日々精進して参りたいと思います。
アイネックス税理士法人
西本 由里子
2019/06/05
- 読書発表・本紹介